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日本バスケはアルゼンチンに学べ。
技術委員長が語る新監督と強化策。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2017/06/25 07:00
八村塁の帰国会見にも出席した東野氏。日本バスケ強化について、独特のアプローチで挑もうとしている。
4時間待って紹介してもらったのが、ラマスさん。
――そうなんですか?!
「現地に着いて、朝の8時にバスケットボール協会にいったんですが、昼まで誰も来なかったんです」
――アポなしですからね……。
「4時間くらい待ったら、協会の広報の人が来て『日本から何をしに来たんだ!?』といって、色々な人も紹介してくれて。そのときのアルゼンチンのヘッドコーチが、あのラマスさんだったんですけど」
――どんな発見が?
「まず当時の日本では、選抜チームなどで、上手い選手や強豪校の選手が集められていましたが、身長などはそこまで気にしていなかった。そうすると、中学、高校と上のカテゴリーに進むにつれ、身長の高い選手はどんどんふるいにかけられ、先細りになってしまう状況。いざ、日本代表で強化しようとしても、候補が限られてしまって、十分な用意が出来なかった」
ある程度の身長に達した選手を強化するという考え。
――アルゼンチンではどうだったのでしょう?
「日本よりも、早い段階で背の高い選手を集めていましたね。12歳のときに何cm以上、14歳で何cm以上など、基準を設けて、その身長に達していれば、上手い、下手は、関係なく強化するという考えでした」
――バスケットの能力の高い選手を選抜するだけではなく、身長の高い選手を上手くさせる形での強化にも、同時に取り組まないといけないと?
「はい。あとは、年齢ごとのウェイトトレーニングについての認識も甘いことがわかったり……。こんなことも出来ていないのかと、ショックというか、胸が痛かったです」
――2016年の6月、Bリーグ開幕の4カ月ほど前に現職につかれたきっかけは?
「日本協会の方が、色々と調べた上で、私に興味がある、と来てくださったのがきっかけです。私はアメリカで講習会を開いていたこともありますし、アルゼンチンのことなど、自分が学んだことから、未来の構想が自然と出てきて。それで、やらせていただくことになりました。(初代Bリーグチェアマンの)川淵(三郎)さんとは今でも会いますけど、『東野、思い切りやっているか?』と。それしか言われないんですよ」