話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
サンフレッチェが苦しむ「0-1」。
実は難しい、点取り屋不在の解決。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph bySANFRECCE
posted2017/06/23 07:00
第15節終了時点のチーム内得点王は工藤とロペス(3得点)である。ここにパトリックが加わる可能性が高まっているが、果たして……。
「やっぱり無得点で負けている試合が多いなって」
2勝4分9敗で17位。ちなみに昨年の残留ラインとなったアルビレックス新潟の最終勝ち点は30だった。広島に当てはめると、残り19試合で勝ち点20以上を獲得するためには最低でも7勝が必要になり、決して容易な数字ではない。ここ数年、優勝争いをしていたチームは今シーズン、J1残留が最大の目標になってしまったのだ。
広島は今季の失点数が「23」となっている。昨季までと比べると多い失点数で、守備に大きな問題があると思いがちだが、実は攻撃の課題が大きい。
15試合で得点はわずかに12点しか取れておらず、ヴァンフォーレ甲府と大宮アルディージャ、新潟に次いで3番目に少ない。そして「0-1」のスコアで敗戦したのは川崎戦を含めて5試合もあるのだ。川崎戦でも多くのチャンスを作っていたが、決定機を決めることができなかった。
「やっぱり無得点で負けている試合が多いなって思います。得点もセットプレー絡みがほとんどで崩して点を取ることがほとんどできていない。守備は良くなっているので、ほんと攻撃ですね。点を取らないと勝ち点3が取れないので攻撃の質をもっと高めていく必要があると思います」
“決めるだけ”というサッカーの永遠の課題。
ボールを運ぶ、フィニッシュ手前までの構築はできている。あとはいわゆる“決めるだけ”なのだが、そこがサッカーの永遠の課題ということになる。
ミキッチは言う。
「決定力はサッカーの永遠のテーマ。それが分かれば点が入ります。それを解決する一番の方法は、20得点を決められる選手がいることです。今まではそういうストライカーが広島にはいましたよね」
たしかに、これまで広島には佐藤寿人、ドウグラス(21得点、2015年得点ランキング2位)、ピーター・ウタカ(19ゴール、2016年得点王)ら決定力の高いストライカーがいた。
今は、どうだろうか。