福西崇史の「考えるサッカー」BACK NUMBER
乾貴士の成長、福西崇史が高評価!
「余裕があるから変化をつけられた」
text by
福西崇史Takashi Fukunishi
photograph byAsami Enomoto
posted2017/06/08 18:00
ドリブル突破だけでなく、フィニッシュでも力を発揮した乾。スタメンでもジョーカーであっても、スペインで揉まれた29歳は日本の新たな武器となる。
試合を落ち着かせながらも判断の速いプレーをする。
そして乾の持ち味と言えばテクニック。技術も判断もしっかりしているから、シリアが1人だけでなく2人がかりでプレッシャーをかけに来ても全く慌てなかったですよね。
実際に本人も、試合を落ち着かせながらも判断の速いプレーをしようと意識しているそうです。
縦に速いサッカーはハリルホジッチ監督が求める部分ですが、ではどう効果的に出すのか? そこを常に考えているからこそ乾はバリエーションのあるプレーで変化をつけられた。
2年2カ月ぶりの代表招集でも、味方や相手の意図が感じ取れているのはイラク戦に向けて大きな武器になると思います。
イラク戦、誰が試合運びでリーダーシップを取る?
そのイラク戦でキーワードになるのは「誰が試合運びでリーダーシップを取るのか」という点です。
ゲームキャプテンという意味ではケガで不在の長谷部に代わって、吉田がこなせるのは3月の2試合で明らかです。ただシリア戦の前半のように“何となく試合の時間が進んでいる”状況になった時、積極的にコミュニケーションを取ることでギアチェンジをしてほしい。
シリア戦で率先して意思統一しようとしていたのは、後半から投入された本田でした。後半開始直前にはチームメートを集めて、どう戦うかを話し合っていましたよね。その後はボールを積極的にもらいに行くシーンが多く、特にインサイドハーフに降りてからはよりいい流れになっていました。