サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
ハリルジャパンよ、目は覚めたか?
今さら集中力と言いたくはないが……。
posted2017/06/08 11:25
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
Nanae Suzuki
6日後のイラク戦へ向けた警告、と受けとめるべきだろう。
6月7日に行なわれたシリア戦である。
東京スタジアムにやってきたアウェイチームは、公式戦さながらのテンションで挑んできた。マイボールの局面では攻撃に人数を割き、ディフェンスは徹底してタイトだった。選手の集散は素早く、それでいてデュエルに激しい。6月2日にオマーンとテストマッチを消化していたことで、コンビネーションや戦術的な練度をあらかじめ確認できていたのだろう。推進力のあるドリブルは、日本の守備を何度となく剥がした。
ひるがえって日本は、3月以来の実戦である。欧州各国リーグを終えたばかりの海外組は、実戦から離れていた。心身ともに戦闘モードへシフトするきっかけとして、このシリア戦は位置づけられていた。
昌子、今野のテスト、そして序盤に香川が負傷。
最終的に1-1のドローに終わった試合は、テストの要素も含んでいた。センターバックの一角を担った昌子源は、およそ1年ぶりの国際Aマッチ出場である。直前のJリーグで戦列に復帰したばかりの今野泰幸は、コンディションを急ピッチで上げている段階だ。
手探りの部分があるうえに、前半開始早々にアクシデントに見舞われた。接触プレーで左肩を痛めた香川真司が、わずか10分で倉田秋と交代してしまうのだ。
前半の日本は7本のシュートを記録しているが、ペナルティエリア内では2本しか打つことができていない。3トップ中央の大迫勇也が確実にボールを収めていた一方で、フリーランニングやスペースメイクの動きが少なく、攻撃の連動性や連続性に物足りなさが残ったからだった。
それでも、後半は改善が見られた。イラク戦につながるプラス材料を、見つけることができた。