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なぜ中日はこんなに弱くなったのか。
日本ハムの苦境とは全く意味が違う。 

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伊藤哲也

伊藤哲也Tetsuya Ito

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photograph byKyodo News

posted2017/05/02 11:00

なぜ中日はこんなに弱くなったのか。日本ハムの苦境とは全く意味が違う。<Number Web> photograph by Kyodo News

勝利が遠く、なかなか盛り上がらないベンチ内。うつむき引き上げていく森監督(右から2人目)。憎らしいほど強かった中日は戻ってくるか?

「オレたちが年を重ねて衰えたら、チームはどうなる」

 中日は'04年から落合博満政権下で8年間で4度のリーグ制覇。

 この間に福留孝介が和田、ウッズがブランコ、川上憲伸がチェンと顔触れこそ若干の変化はあったが、谷繁-井端弘和-荒木雅博の鉄壁のセンターラインを軸に憎らしいまでの強さを見せた。

 ただいつまでも繁栄期は続かない。

 前監督を務めた谷繁氏が、こう話してくれたのを思い出す。

「あの時はみんな脂が乗っていて、本当に強かった。ただ、プレーしながら『オレたちが年を重ねて衰えたら、このチームはどうなるのか』とふと思うことがあった。プロは弱肉強食の世界。自分の座を脅かす存在が出ないのは主力選手としてはいいことなのかもしれないけど、チーム全体を考えると……」

 世代交代の失敗。

 4年連続Bクラス、そして今季の低迷もこの言葉に集約されるといっても過言ではない。それは今季のスタメンを見ても如実に物語る。

谷繁前監督が育てていた高橋周平もいまや二軍暮らし。

 助っ人をのぞき、開幕からフル出場を続けレギュラーといえるのは大島洋平と平田良介の中堅と右翼のみだ。

 谷繁前監督は「何とか1人でもレギュラーを……」と高橋周平に白羽の矢を立て、昨季は3番も務めて奮闘を続けたが、故障で離脱。今季は開幕から二軍暮らしが続いている。

 そんな中日が手本とすべきチームは、育成を重視する日本ハムだろう。

 FAでの慰留ができないため、黄金期こそないが長い低迷期もない。

 日本ハムは栗山英樹監督就任1年目の'12年にリーグ制覇を果たしている。

 その翌年の'13年には最下位に転落するが、プロ1年目の大谷翔平を筆頭に若手を積極的に起用。翌年から3位、2位、昨季は日本一に輝いた。

【次ページ】 中日の低迷と日本ハムの低迷は意味が違う。

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