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メジャー時代から同じルーティン。
DeNAロペスの「変化しない」強さ。

posted2017/05/03 08:00

 
メジャー時代から同じルーティン。DeNAロペスの「変化しない」強さ。<Number Web> photograph by Kyodo News

4月30日の満塁弾後、筒香嘉智らと喜びを露わにしたロペス。日本野球の水が合った助っ人スラッガーとして記憶に残ることになるだろう。

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日比野恭三

日比野恭三Kyozo Hibino

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 33歳になったいまも「チャモ(少年)」と呼ばれている。いや、最近では多くの人が「チャモさん」と呼んでいる。もちろん、敬意の表れとして。

 ホセ・ロペスが来日したのは2013年だった。メジャー通算9年間で5球団を渡り歩き、そのうち最初に所属したマリナーズでは5年連続2ケタ本塁打。オールスター出場も経験していた。

 超大物ではないが、実力者と呼ぶにふさわしい実績。日本のジャイアンツでの2年間も、圧倒的ではないが、十分評価に値する成績を残していたように思う。

 だが2014年に22本塁打を放った助っ人は自由契約となり、ベイスターズへと移籍した。

 いまにして思えば、ベイスターズにとって、そしておそらくはロペスにとっても、幸運な出会いだった。

「横浜の街も、横浜スタジアムも大好きだ」

 少年には屋根のない球場がよく似合った。いつか、こう言っていた。

「横浜の街も、横浜スタジアムも大好きだ。ここで野球をするのは楽しいよ」

 同じ2年間で、本塁打の数はジャイアンツ時代の40本(18+22)から59本(25+34)へと5割増しになった。3番あるいは5番打者として、ちょうど急成長の時期にあった筒香嘉智を傍らから支えた。

「ぼくは年上でもあるし、選手みんなを励まし、自分の経験を伝えてサポートしていきたい。みんな仲間であり、友だちだから」

 ほとんどが年下の若いチームにあって、自らが模範となるべきことも自覚していた。

 そしてベイスターズで3年目の今シーズン、春先から調子がいい。

【次ページ】 ロペスとの問答はなかなかに難しい。

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