フランス・フットボール通信BACK NUMBER
コンテの遺産を捨て去ったアッレグリ。
ユーベの“マッドマックス革命”とは?
posted2017/04/26 11:30
text by
トマ・シモンThomas Simon
photograph by
Etienne Garnier/L'equipe
『フランス・フットボール』誌4月18日号では、翌日に迫っていたバルセロナ対ユベントスのチャンピオンズリーグ準々決勝第2戦(結果は0対0、ユベントスが準決勝進出)に向け、トマ・シモン記者が試行錯誤の末に今年はじめから4-2-3-1にシステムを固定したユベントスの戦術変化を分析している。
題して「レボリューション・マッドマックス」。
さらなる攻撃サッカーを実践するために、アッレグリは何を考えてチームをどう変えていったのか。守備とのバランスをどうとったのか。
若いシモン記者は十分に分析しきっているわけではないが、これからのユベントスを見ていくうえでひとつの指標にはなるだろう。
監修:田村修一
その戦術的変更は、まさに「革命」だった。
バルセロナとのチャンピオンズリーグ準々決勝第1戦で3-0と堂々の勝利を収めたユベントスは、今年はじめからシステムや配置を変えて戦いに臨んでいる。
それは“マッドマックス”ことマッシミリアーノ・アッレグリ監督による戦術的な変革であり「革命」であるといえるほどのものであった。
すべてが大きく変化した。
アントニオ・コンテから引き継がれた、近年のユベントスの象徴ともいえる神聖不可侵な「3-5-2システム」は、まず「4-3-3(シーズン開幕時には4-3-1-2も併用)」により地上に引き摺り下ろされ、次いで完全に見捨てられた。シーズン半ばに早くも4敗(1対2フィオレンティーナ、2017年1月15日)を喫した戦犯として。
そしてマッシミリアーノ・アッレグリが採用したのが、自身の拠り所とする「4-2-3-1システム」であった。
ある意味潮時であり、いいタイミングでもあったのだろう。“マッドマックス”は怒りを爆発させ、自らを解き放ったのだった。恐れることなく彼はチームのすべてを再考し、新たな均衡を見いだして新たな展望を得るためにそれぞれの役割を変更した。