フランス・フットボール通信BACK NUMBER
ストイチコフが語るネイマールの成熟。
“ポストメッシ時代”はいつ来るか?
posted2017/04/24 07:00
text by
フローラン・トルシュFlorent Torchut
photograph by
Pierre Lahalle
『フランス・フットボール』誌4月11日号の表紙はネイマールが飾っている。
年が明けてから絶好調のネイマールは、ロシア・ワールドカップ予選突破を世界最速で決めたブラジル代表の攻撃陣のリーダーであり、所属するFCバルセロナでも、チャンピオンズリーグ・ラウンド16・セカンドレグ――カンプノウでの奇跡の逆転劇ではPKを含む2得点を決めてリオネル・メッシ、ルイス・スアレスを差し置いて主役となったのだった。
世界のサッカーシーンは、この10年間というものメッシとクリスティアーノ・ロナウドのふたりを中心に動いてきた。世界最高の個人表彰であるバロンドール(2010~15年はFIFAとフランス・フットボール誌=アマリ・グループの共催でFIFAバロンドール、それ以外の年はフランス・フットボール誌の単独主催)も、2008年以来9年連続でふたりが独占している。
その時代に終止符を打つときが、いよいよ迫っているのか。彼らに代わる新たな主役がついに表舞台に立つときが来ようとしているのか。ティエリー・マルシャンとフローラン・トルシュ両記者が分析している。
その記事の中で、ネイマール自身はこう語っている。
「僕は成熟して、僕自身のサッカーキャリアの最盛期を迎えている」
また彼を長年にわたり追い続けてきたブラジル人のジョアン・エンリケ・マルケス記者もこう述べている。
「バルセロナに移籍して以来はじめてネイマールは、メッシを上回る影響力を持つにいたった。とりわけ安定して高いレベルを維持できるようになったのが大きな進歩だ。もしもバルサがチャンピオンズリーグを制覇するようであれば、今年のバロンドールは彼とレオ・メッシの争いになるだろう」
そしてときたま噂される移籍については、ジョゼ・モウリーニョが以下のようにコメントしている。
「バルセロナのようなクラブが、ネイマールを手放すことはあり得ない。(バルサにとって)彼はポストメッシの時代の大切な選手であり、(他のクラブが)彼の獲得を試みるのは金庫に大穴をあけるようなものだ」
分析記事の後に掲載されているのが、フリスト・ストイチコフのインタビューである。元バルセロナのストライカーにして1994年のバロンドール受賞者。
柏レイソルにも籍を置いたこともあるストイチコフは、現在のネイマールをどう見ているのか。フローラン・トルシュ記者が率直な本音を聞きだした。
監修:田村修一