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平昌五輪の3枠確保が瀬戸際だが……。
三原、樋口、本郷は自分自身の滑りを。

posted2017/03/28 08:00

 
平昌五輪の3枠確保が瀬戸際だが……。三原、樋口、本郷は自分自身の滑りを。<Number Web> photograph by AFLO

急遽の出場となった本郷理華だが、世界選手権は3回目。五輪の3枠確保に期待がかかる。

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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 3月29日から、フィギュアスケートの世界選手権がフィンランド・ヘルシンキで行われるが、開幕を前にして、宮原知子の欠場にフィギュアスケート界が揺れている。

 そのニュースが衝撃を与えたのは、今回の世界選手権に、来年の平昌五輪の国別の出場枠がかかっているからだ。あらためて説明すれば、ある国の出場選手のうち、上位2名の合計順位が「13」以内であれば、その国に最大の3枠が与えられる。「14から28」であれば、2枠となる。

 今大会の女子の日本代表は、宮原、三原舞依、樋口新葉だった。中でも宮原は昨今の成績が示すように日本女子のエースであり、世界でもトップクラスのスケーターである。シーズンのベストスコアで見ても、今シーズンのランキングは世界で2位だ。

 一方で、三原と樋口は、シニアに移行して1シーズン目、世界選手権も初めての出場だ。なおさら、宮原は3枠を確保するための柱となる選手と目されていた。

世界ランクを見れば3枠確保は瀬戸際。

 かわりに出場することになったのは本郷理華。今シーズンはジャンプなどに苦しんできた。しかも、宮原欠場により出場となった四大陸選手権、冬季アジア大会、さらに先日はプランタン杯にも出ている。連戦続きの中での世界選手権である。この3人で「13」以内を確保できるのかどうか、スケート関係者の人々の中には、切迫感、悲壮感もうかがえる。

 でも、宮原欠場という現実は現実としてある。

 では出場する3人は、どの位置にいるのか。

 今シーズンのベストスコアのランキングで見れば、四大陸選手権で自身初の200点超えを果たした三原は世界選手権出場予定の選手中では5位、樋口は9位、本郷は14位にいる。ランキングだけ見れば、13以内を確保する瀬戸際であることは分かるし、悲壮感が漂うのも分からないでもない。

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