話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
川崎に縁遠かった“勝負強さ”が!?
攻撃が未完成でも勝利した開幕戦。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2017/02/28 11:30
相棒・大久保嘉人が去っても、中村憲剛に落胆の色は見えない。新たなパートナーと、新たなサッカーを築き上げていく。
風間スタイルも、成績が出ない時期を乗り越えた。
思い返してみれば、風間八宏前監督が2年目の2013年3、4月と8試合で1勝しかできず、監督解任騒動が起きたことがあった。しかしその時監督を続投させ、我慢してやり方を貫いたことが川崎スタイルを生み、昨年の優勝争いにつながった。あの流れるような華麗なサッカーは、そうした日々の積み重ねの産物なのだ。
過去にそういう事例があり、監督のサッカーが浸透するのもチームに選手がフィットするのも時間がかかることは家長、阿部を含めて川崎の選手たちも織り込み済みだろう。特に川崎のように個の感覚をいかして、すり合わせていくサッカーはより時間が必要になる。それを分かっていてもメンバーの名前をみれば「もっとできるでしょ」と、ついつい言いたくなってしまうのだが……。
幸いなことにACLを含め、試合がつづく。
お互いを知り、お互いのプレーを理解していくのには好都合だ。攻撃のユニットの4人が試合にしっかりと出続け、さらに勝っていけば融合の速度は増すだろう。
そうして攻撃のユニットの4人が、この先も変わらず、シーズン終了間際もピッチに立っていれば、川崎はきっと優勝争いをしているはずだ。