畠山健介のHatake's roomBACK NUMBER
昨年9位から全勝優勝の立役者は?
畠山健介が語る、最高のフッカー。
text by
畠山健介Kensuke Hatakeyama
photograph byKiichi Matsumoto
posted2017/02/03 08:00
サンゴリアスと畠山健介は、トップリーグ、日本選手権を含めてシーズン公式戦無敗を達成した。
パナソニックの「我慢」と「規律」をブレさせる。
次に「我慢」。決勝ともなれば、対戦相手は相当のプレッシャーをかけてくる。その時に我慢できるかどうか。ディフェンス、アタックに限らず、我慢をし続けられるかが大事になってくる。ボールをキープしたり、相手の良い攻撃に対して反則を犯さず守り続けられるか。多種多様な我慢がファイナルラグビーでは求められる。
最後に「規律」。我慢と通じる部分があるが、決勝ではペナルティーの行方が重要になってくる。ペナルティーショットを決めたら3点。この3点が大きな意味を持つ。
ハイレベルな戦いになると、簡単にトライはできない。決勝ともなれば相手の「態度」が凄みを増すからだ。ペナルティーショット2回で6点。1トライ(5点)では追いつけなくなる。そういった駆け引きや流れというのが存在し、それらを判断しつつ、試合を進めていく。日本代表、ワールドクラスがゴロゴロいるパナソニック相手に、だ。
それがいかに困難なことか。規律を守りながら、反則をしないよう激しいプレーをする。激しいプレーは相手にプレッシャーを与え、「我慢」と「規律」をブレさせる。トライはできなかったが、僕らサンゴリアスはパナソニックの「我慢」と「規律」をブレさせ、3点(ペナルティーショット)を積み重ねた。
2冠の最大の理由は「青さん」だと思う。
パナソニックの日本人選手のレベルは高い。しかしそれ以上にヒーナン ダニエル、デービッド・ポーコックの存在感は、ベンチから見ていてもすごかった。特にヒーナン。僕は彼には過去に何度もスマッシュされている。その激しさゆえに脳震盪で途中退場したが、チャチャ(笹倉康誉)が前半早々に負傷交代したのと、ヒーナンが交代したのはサンゴリアスにとって非常に大きかったと個人的に思う。
昨季、サントリーはリーグ9位という悔しい結果で終わった。日本選手権はおろかプレーオフにも進出できなかった。
しかし、今季は沢木敬介新監督のもと2冠を達成。なぜか? 多くの記者やファンは、監督が敬介さんになったから? ジョージが戻ってきたから? と考えるだろう。
彼らの存在は確かに大きい。でも、僕は「青さん(青木佑輔)」の存在が一番大きいと思っている。