畠山健介のHatake's roomBACK NUMBER
昨年9位から全勝優勝の立役者は?
畠山健介が語る、最高のフッカー。
text by
畠山健介Kensuke Hatakeyama
photograph byKiichi Matsumoto
posted2017/02/03 08:00
サンゴリアスと畠山健介は、トップリーグ、日本選手権を含めてシーズン公式戦無敗を達成した。
フッカーは非常に重要で、何より難しいポジション。
僕が味方として組んできた中で、青さんと同じレベルで組めるのは東芝のユハさん(湯原祐希)か、コンディションが万全の堀江ぐらいだろう。タケシ(木津武士)も良い選手だが、まだまだ青さんの「経験と技術」のレベルには達していないと思う。
フッカーというのは非常に重要なポジションだ。ラインアウトのスローイング、スクラムでのリードなどの専門性が強く、フィールドでの運動量も要求される。フォワードの中でも難しいポジション。
同じセットプレーのラインアウトをリードしていたジョー(・ウィラー)。彼も派手さはないが仕事量が多く、堅実で激しいハードワーカーだ。彼も1年目にしてサンゴリアスの優勝に貢献し、セットプレーを支えたひとりだ。シーズンベスト15に選ばれるなど彼は評価されているが、青さんも間違いなくベスト15級の活躍だった。
敬介さんが監督になったのは大きい。ジョージが帰ってきてくれたのも大きい。青さんやジョーのようにメディアが取り上げないが、チームが勝つために準備し、戦っている選手やスタッフはたくさんいる。みんな勝つための準備をずっと続けている。
勝利や敗北の理由は決して1つではない。
僕は勝てなかった昨季、2冠を達成した今季を含め、9シーズン、サンゴリアスに関わってきた。勝敗の理由や原因は決して1つではない。これはラグビーに限らない。
要因や理由というのは地層のように幾重にも重なっていて、どれが抜けても成り立たない。様々な手法と材料、これらの微妙な配分、量で味が変わる料理のようなものでもある。
振り返ると昨年8月26日、近鉄ライナーズとの開幕戦、最終スコアは14-13。サンゴリアスが辛勝した。しかし、ほぼ負け試合の内容だった。
近鉄ライナーズは今季16チーム中13位。不本意な結果だっただろう。サントリーと近鉄。チームの結果は対極だが、実際の試合では1点差。昨年のトップリーグ準優勝の東芝ブレイブルーパスは選手やスタッフの大きな変化はなかったのに今季は9位。どのチームにもチャンスがあるし、どのチームも悔しいシーズンになる可能性がある。微妙な配分と量の違いで。