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WBC、侍ジャパンに大きな変化が!
先発型よりリリーフ重視の編成に。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byNaoya Sanuki
posted2017/01/26 11:30
WBCでも二刀流で挑むのか注目される大谷。投手では先発として起用されるのは確定だろう。
最多勝、20勝投手、最多セーブがズラリと並ぶ陣容。
第1回大会(2006年)※以下、カッコ内の成績は大会前年のもの
先発陣に前年ナ・リーグ最多勝のドントレル・ウィリス(マーリンズ/22勝10敗)、ア・リーグ防御率1位のロジャー・クレメンス(アストロズ/13勝8敗、防御率1.87)、翌'07年にナ・リーグ最多勝に輝くジェイク・ピービー(パドレス/13勝7敗)、リリーフ陣にナ・リーグ最多セーブのチャド・コルデロ(ナショナルズ/47セーブ)、ジョー・ネイサン(ツインズ/43セーブ)、ブラッド・リッジ(アストロズ/42セーブ)、トッド・ジョーンズ(マーリンズ/40セーブ)を揃えた。
第2回大会(2009年)
先発陣は前回大会に続いて選出されたピービーをはじめ、テッド・リリー(カブス/17勝9敗)、ロイ・オズワルト(アストロズ/17勝10敗)など。リリーフは前回ほどではないが、ヒース・ベル('09年ナ・リーグ最多セーブ)ら9人で臨んだ。
第3回大会(2013年)
先発陣は20勝投手のジオ・ゴンザレス(ナショナルズ/21勝8敗)、R・A・ディッキー(メッツ/20勝6敗、サイ・ヤング賞受賞)、元阪神のライアン・ボーグルソン(ジャイアンツ/14勝9敗)、デレク・ホランド(レンジャーズ/12勝7敗)、ロス・デトワイラー(ナショナルズ/10勝8敗)で構成。リリーフ陣は'11~'14年にナ・リーグの最多セーブに輝いたクレイグ・キンブレルを筆頭に10人揃えた。
日本は先発タイプを主体にして連覇を果たした。
WBCは短期決戦なので、ものを言うのは投手陣である。「先発投手は4人いればいい、あとはリリーフ専門を置いたほうが現実的」という考え方で人選してきたアメリカだが、結局勝てなかった。それに対して日本は先発タイプを主体にして第1、2回大会を連覇した。
第1回大会の投手陣で、前年に先発とリリーフのどちらで投げていたかを分類すると以下の通りになる。
<先発>
渡辺俊介、清水直行、小林宏之(以上ロッテ)、杉内俊哉、和田毅(以上ソフトバンク)、松坂大輔(西武)、上原浩治(巨人)
<リリーフ>
薮田安彦、藤田宗一(以上ロッテ)、藤川球児、久保田智之(ともに阪神)、大塚晶則(レンジャーズ)、石井弘寿(ヤクルト)
この大会では石井の故障離脱があり、途中で馬原孝浩(ソフトバンク)と入れ替わった。