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WBC、侍ジャパンに大きな変化が!
先発型よりリリーフ重視の編成に。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byNaoya Sanuki
posted2017/01/26 11:30
WBCでも二刀流で挑むのか注目される大谷。投手では先発として起用されるのは確定だろう。
今回は1次、2次リーグ後に投手2人を入れ替えられる。
さて今大会の特徴は1次、2次ラウンド終了後にそれぞれ2人まで投手を入れ替えられる点にある。代表入りを嫌がるMLB各球団も、準決勝、決勝が行われる3月20日以降の参戦ならゴーサインを出す可能性がある。ちなみに28人のメンバー中、投手13人以上、捕手2人以上の登録が必要で、投手の球数制限も前回は次のように決められていた。
・1次ラウンド65球、2次ラウンド80球、準決勝・決勝95球
・50球以上投げた場合は中4日以上空ける。30球以上投げた場合は中1日以上空ける、2日連続で投げた場合は中1日空ける
投手の肩、ヒジなどの故障を未然に防ぐことを目的として設けられた球数制限だが、メジャーリーグベースボール(MLB)機構とMLB選手会が立ち上げたワールド・ベースボール・クラシック・インク(WBCI)がWBCの運営者だということを忘れてはならない。当然、アメリカの意向が反映された球数制限と考えていい。
アメリカが恐れるのは他国の絶対的エースの出現?
投手の故障とともにアメリカが恐れるのは、スーパーマンのような絶対的なエースが他国から出現することである。
もちろん日本、ドミニカ、キューバなどを視野に入れた球数制限で、そこには「質のいい投手がたくさんいるのはアメリカ」という選手層に対する絶対的な自信がある。
ところが、過去3大会でアメリカは負け続けている。'06年が2次ラウンド敗退、'09年がベスト4、'13年が2次ラウンド敗退である。アメリカ代表を評して「本気じゃない」「ベストメンバーじゃない」とよく言われるが、顔ぶれを見れば勝ちにきているのがわかる。