フランス・フットボール通信BACK NUMBER
“世界のレアル”とバロンドールの関係。
ペレス会長、ロナウドの受賞を語る。
text by
フレデリック・エルメルFrederic Hermel
photograph byJAVIER SORIANO/AFP
posted2017/01/08 08:00
ズラリと並ぶビッグイヤーの前で話をするペレス会長。レアルのCL優勝とバロンドール受賞の足跡はサッカーの歴史そのものといえる。
2004年、4人のバロンドール受賞者がレアルに並んだ。
――2004年に、はじめて4人の受賞者をピッチ上に並び立たせたときのことを覚えていますか?
「もちろんだ。ジネディーヌ・ジダンとルイス・フィーゴ、ロナウド、マイケル・オーウェンの4人だった。あの晩、私は、自分が間違っていなかったと確信した。実際、私はすべてのバロンドール受賞者をレアルに集められたらと思っていたからね」
――つまりレアルに入団するには、バロンドールを獲得するのが近道だと?
「それは間違いない。バロンドールの保持者は自動的にわがクラブの獲得対象になる。なぜならレアルの野望は、常に世界最高の選手を集めることであるからだ。ただ言いたいのは、レアルで成長した選手がバロンドールを獲得したら、それもまたとても喜ばしい。これまでレアルには9人の受賞者が在籍したが、そのうちの6人は私が会長を務めているときの受賞者であるのを誇りに思っている。そうした選手たちがレアルの歴史を刻んできた。レアル・マドリーはチャンピオンズリーグのクラブでありバロンドールのクラブだ。ふたつのタイトルの普遍性は、クラブの精神と完全に融和している」
世界中の人に尊ばれる、レアル・マドリーという存在。
――あなたの会話には、常に普遍性という言葉が出てくるのはどうしてでしょうか?
「レアルはすべての大陸、すべての人種、すべての宗教と関わっている。クリスティアーノの受賞は、全世界を喜ばせるだろう。セネガルだろうとカナダだろうと、世界中の子供たちが彼と一緒に写真を撮ることを夢見る」
――過去にレアルに所属した受賞者たちとは、どんな関係を保っていますか?
「レアルのユニフォームを着たすべての選手と私は良好な関係にあるが、バロンドール受賞者はその中でも特別だ。というのも彼らはレアルの権威と国際的な知名度を高めることに大いに貢献したからだ。個人的には、バロンドール受賞者は神話的な英雄だと思っている。だからレアルの選手がこのトロフィーを獲得するのは、私にとって大きなモチベーションだしわれわれの伝統を築き続けることでもある」
――歴代受賞者の中では誰をレアルに招きたかったですか?
「もちろんエウゼビオ(1965年受賞)さ。本物のクラッキで、レアルの誇るディステファノの友人でもあった。それからエウゼビオは、クリスティアーノの入団発表の際にも彼の傍らにいただろう」