炎の一筆入魂BACK NUMBER
勝つことを知り、優勝の重みを得た。
V2狙う広島に黒田の蒔いた種、育つ。
text by
前原淳Jun Maehara
photograph byNaoya Sanuki
posted2016/12/31 07:00
16勝3敗の成績でセ・リーグの最多勝と勝率第1位のタイトルを獲得した野村。プロ入り5年目で年俸1億円超(推定)を達成し、来季は開幕投手も狙う!
「勝つこと」の重要性を本当に学んだ'16年。
優勝決定試合となった9月10日の巨人戦のスターティングメンバーには外国人選手がいなかった。投手3人、野手1人を基本線に起用した外国人枠にもまだ選択の余地がある。'16年秋季キャンプで打撃コーチ3人衆が鍛え上げた新戦力候補の堂林翔太や野間峻祥の成長も注目されるところだろう。
優勝した'16年で最も学んだことは、勝つことの重要性だった。
24年間優勝から遠ざかり、そのうち20年近くBクラスだった。どこかで確固たる自信が持てなかったのかもしれない。
優勝を決めた直後、黒田は「僕たちはずっと優勝経験がないと常に言われていた。若い選手がこうやって優勝を味わって、野球人生の中で大きな経験になればいいなと思う」と願った。
優勝というゴールは、黄金期を築くためのスタートでもある。
絶対的な存在だった黒田が抜ける'17年は不安要素がつきまとう。
'17年は'16年に得た自信をどうつなげるか。若いチームの真価が試されているシーズンとなる。