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2015年ドラフト1位組の◯と×。
豊作の中でも目立ったオコエ&平沢。
posted2016/12/31 11:00
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph by
Kyodo News
ドラフト会議では、将来性豊かな逸材が数多く1位指名される「豊作」が、数年に1度は訪れるものだ。
古くは、山本浩二、山田久志、東尾修、有藤通世の名球会選手をはじめ、星野仙一、田淵幸一など主力を数多く輩出し「史上最高のドラフト」と呼ばれる1968年組。
松坂大輔を筆頭に、高卒選手がいの一番で名を挙げられた1998年。
大卒の和田毅たちが着実な成長を遂げた2002年の「松坂世代」も、いまだその存在は色褪せてはいない。
田中将大、前田健太、坂本勇人が指名された2006年の「田中世代」も、評価に違わぬ実績を残している。
2015年のドラフトは、これほどの「豊作」とは呼べないのかもしれない。ただ、彼らのルーキーイヤーの結果に触れれば、将来性を期待せずにはいられない。喩えるならば、谷繁元信、野村謙二郎、川崎憲次郎、今中慎二など、指名当初こそ派手さに欠けていたものの、後に絶対的な存在としてチームを支えた1988年ドラフト世代のような可能性を秘めているような予感が漂う。
それは、結果が物語っている。
目を引く高卒ルーキーの存在感。
「〇」(8選手)
ロッテ 平沢大河(仙台育英/内野手)……23試合 打率.149 0本塁打 3打点
<寸評>5月14日の楽天戦でプロ初スタメン。8月17日に地元仙台でプロ初安打
西武 多和田真三郎(富士大/投手)……18試合 7勝5敗 防御率4.38
<寸評>9月7日の楽天戦で、1999年松坂以来の球団新人記録に並ぶ15奪三振をマーク
楽天 オコエ瑠偉(関東一/外野手)……51試合 打率.185 1本塁打 6打点
<寸評>球団の高卒新人野手では初の開幕一軍。6月18日のDeNA戦でプロ初本塁打
オリックス 吉田正尚(青山学院大/外野手)……63試合 打率.290 10本塁打 34打点
<寸評>球団では1985年の阪急・熊野以来となる、1年目での2ケタ本塁打を達成した
広島 岡田明丈(大商大/投手)……18試合 4勝3敗1HP 防御率3.02
<寸評>先発、中継ぎとして稼働し、日本シリーズ第4戦でも6回1失点と好投
DeNA 今永昇太(駒沢大/投手)……22試合 8勝9敗 防御率2.93
<寸評>新人左腕では球団新記録の5連勝。6月に二軍落ちもローテーションを支えた
阪神 高山俊(明治大/外野手)……134試合 打率.275 8本塁打 65打点
<寸評>球団新人最多安打記録となる136安打をマーク。新人王に輝いた
中日 小笠原慎之介(東海大相模/投手)……15試合 2勝6敗 防御率3.36
<寸評>5月31日の初登板からローテーションをほぼ守り、9月4日の巨人戦でプロ初勝利