岩渕健輔、ラグビーW杯と東京五輪のためにBACK NUMBER

世界5位に健闘、10位に完敗の理由。
岩渕健輔が語る日本ラグビーの課題。 

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岩渕健輔

岩渕健輔Kensuke Iwabuchi

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posted2016/12/01 17:55

世界5位に健闘、10位に完敗の理由。岩渕健輔が語る日本ラグビーの課題。<Number Web> photograph by AFLO

ジェイミー・ジョセフHCのラグビーにおいてキックは極めて重要な要素だ。どんなスピーディーな展開が見られるだろうか。

代表に参加できなかった有力選手も、次回は。

 ラグビーワールドカップのイングランド大会以降、日本代表の強化システムは、長期の代表合宿を軸としたプロジェクト型のものから、スーパーラグビーへの参戦などを軸にした、システム型のものへと変化してきました。

 この新たな体制の下では、サンウルブズは選手の経験値やスキルの向上だけでなく、フィジカルのレベルアップにおいても、大きな役割を担っていかなければなりません。にもかかわらず、今回のテストマッチでフィジカルの差が改めて浮き彫りになったというのは、日本ラグビー界としての準備が万全ではない――代表とサンウルブズの連動が、まだまだ十分ではないことを示唆しています。

 似たようなことは、選手の招集問題に関しても指摘できます。

 今回のテストマッチでは、怪我やコンディション不良のために、代表に参加できなかった有力選手がいました。

 これらの選手に代わって初キャップを獲得した選手たちは、周囲の期待をはるかに上回る見事なパフォーマンスを披露してくれましたが、やはり代表のレベルアップのためには、より多くの選手が万全の状態で代表の活動に臨み、激しいレギュラーポジション争いを繰り広げていくことが決定的に重要になります。

テストマッチ期間は、本番までにあと5回。

 アルゼンチン戦から始まったテストマッチは、1勝3敗という成績で終了しました。2019年の日本大会までテストマッチを行える期間は、あと5回(2017年の春と秋、2018年の春と秋、2019年の春)を残すのみとなります。

 私たちは今回のテストマッチで得た収穫と教訓を確実に活かし、さらに速いペースで代表の強化を推進していかなければなりません。先日上梓した『準備する力 ラグビー日本代表GMのメソッド』の中で述べたように、ワールドカップ日本大会で結果を出せるか否かは、日本ラグビー界全体としても選手個々のレベルでも、いかにいい「準備」ができるかどうかに、ひとえにかかっているのです。

(取材・構成:田邊雅之

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