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本田圭佑の音声データ初公開!
今、明かされる直撃取材の舞台裏。 

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2016/11/22 17:00

本田圭佑の音声データ初公開!今、明かされる直撃取材の舞台裏。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

「オレのコメントなしなのに、やるやんけ」

――あれは編集者からすれば、新境地でした。コメントがとれなかったことが、原稿のオチに使えるんだなって。ある意味、本田圭佑からの挑戦状ですよね。

木崎 皮肉なことに、取材はうまくいかなかったのにこの記事に対する反響はかつてないほど大きかったです。実はこの話には後日談がありまして。日本に帰国後、本田選手の個人トレーナーから電話があって、成田空港で本人がナンバーの記事を読んで、「オレのコメントなしなのに、やるやんけ」と伝えておいてくれと。彼が面白いと感じてくれたのなら、よかったのかなと思えました。

――2014年のブラジルW杯では、“優勝”どころか1勝もできずに終わりました。その先頭に立ってきた本田選手も「世界一のための作業が過去4年間、間違っていたのであれば、正解は何なのか。それをもう一度、一から見つけたい」と発言しています。その後、現在に至るまでブラジルW杯の以前と以降では本田圭佑の言葉の持つ意味合いや説得力が変わったという感じがします。木崎さんは、これまで継続的に取材していて、そのあたりの変化をどう捉えていますか。

木崎 本田圭佑という選手を知れば知るほど、努力の人なんだなと思います。「非エリートの思考法」というテーマで話を聞いたこともありますが、彼はまさに「非エリート」。今回公開した音声データでも話しているようにサッカー選手として特筆すべき能力がない彼がなぜ日本代表のエースになり、ミランの10番まで行き着いたのか。本田圭佑のストロングポイントとされている「体の強さ」にしても、「パワーではトップクラスの選手にも負けない」という信念を持って、毎日体幹トレーニングで筋肉痛になるくらい追い込んで維持して来たんだと。ただ、彼は自分を分析して変えていく勇気があるので、今後新たなスタイルに取り組む意志も感じますし、180度スタイルを変えていく可能性も十分あると思います。僕自身はそれを期待していますね。

木崎伸也氏の28回にわたる本田圭佑選手への直撃取材の全貌は『直撃 本田圭佑』(文藝春秋)に収録されています。日本サッカーのエースとなり、ときに逆境に当たりながら、世界一に向かって駆け上がってきた男の思考の軌跡が明らかに!
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本田圭佑
ACミラン
CSKAモスクワ

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