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本田圭佑の音声データ初公開!
今、明かされる直撃取材の舞台裏。
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph byTakuya Sugiyama
posted2016/11/22 17:00
膝のリハビリ中の直撃取材で、本田が見せた度量。
――この直撃シリーズは、クラブの練習場から車中、空港、自宅近くのカフェなど、あらゆる場所であらゆる手段を駆使して本田選手の肉声を引き出しています。中でも印象的なのは、本田選手が膝を手術してリハビリのためにバルセロナで治療中の病院を突き止めた場面(2011年12月)です。
木崎 Number編集部から「バルセロナでリハビリしている本田圭佑を見つけ出して、直撃取材して来てください」というオーダーを受けまして。無茶ブリには慣れてきたつもりですが(笑)、思わず頭を抱えてしまいたくなりました。ただ、いくつかの情報を頼りに本田選手が宿泊していそうなホテル、病院を洗い出して探偵になった気分で“捜索”しました。病院の受付の女性にはったりを交えて居場所を聞き出し、地下室のリハビリルームで本田圭佑を見つけたときは、興奮しました。本田選手もさすがにびっくりしたようで「おぉぉぉっ!?」という感じで握手したのは、鮮明に覚えています。本来であれば選手にとって「リハビリ中の病院」は取材には最もふさわしくないシチュエーションですが、「すぐ終わるから外で待ってて」と言うと、取材に応じてくれました。
2週間のロシア滞在で、一言も話さないままの記事が。
――ただ、アポなし取材ですから当然のことながら、“空振り”に終わるリスクもあるわけですよね。
木崎 実際、そういうことは何度かありました。Number800号(2012年3月)で「記念号で記事を掲載したいから、ぜひ取材に応じてほしい」と本人と交渉した際には「テーマが明確じゃない。オレである理由が見えてこない。そんなんでインタビューをとろうなんて甘い! オレの納得する企画を持ってこいって編集長に言っておいて」と一蹴されてしまいました。また、2013年5月には、CSKAで彼が初めてロシアリーグ優勝を遂げたのですが、2週間のロシア滞在中、一言も発言をしなかった。Number編集部の意向では本田圭佑を表紙にして巻頭記事を作ることは決まっていましたから、困ったなと……。そうしたら取材最終日、彼が練習場から車で帰るときに急に止まって、ウインドウを開けて「オレのコメントなしの記事、楽しみにしてるよ」と。