お知らせ
- ・コラム『本田圭佑の音声データ初公開! 今、明かされる直撃取材の舞台裏』を公開しました。(2016/11/22)
- ・本田圭佑直撃取材の音声データを公開しました。(2016/11/22)
- ・特設ページを公開しました。(2016/11/4)
「本田くん、ある意味、それは勝ち逃げだよ」
気鋭のスポーツライターが投げかけた一言からすべては始まった――。
2010年南アフリカW杯で衝撃な2得点を挙げ、ベスト16の立役者になった本田圭佑は、大会終了後、突然口を閉ざした。取材オファーをすべて断り、孤高の道をゆかんとするサッカー日本代表のエースに気鋭のスポーツライター・木崎伸也が立ち向かう。
モスクワ、バルセロナ、ミラノ、ブラジル……アポなしの独占直撃取材で引き出した本田圭佑の本音。足掛け7年、28回にわたる真剣勝負の対話から浮かび上がる型破りの哲学。これは、知られざる本田圭佑の人物像であり、ひとりのアスリートに迫っていくジャーナリストの試行錯誤の物語である。
目次
プロローグ なぜ、本田圭佑を直撃するのか?
1 <W杯を語らない本当の理由>
- カッコいい感じやなと思ったら、オレはしゃべるし。ダサいなと思うときにはしゃべらへんし。シンプルですよ。
- ――2010年8月@モスクワ
2 <初めて明かしたW杯後の真実>
- 1年後の成功を想像すると、日々の地味な作業に取り組むことができる。僕はその味をしめてしまったんですよ。
- ――2010年12月@モスクワ⇒デュッセルドルフ
3 <アジアカップ優勝&MVP直後の本音>
- 自分の器用さが嫌なんですよ。それだと成長のスピードも、のびしろも、日本人の枠に収まってしまう。
- ――2011年1月@ドーハ
4 <非エリートの思考法>
- 安定って言葉は、これまで生きてきてあまり使ったことがないし、聞いたこともないですね。僕の辞書にない言葉です。
- ――2011年6月@モスクワ
5 <究極のサッカー問答>
- いつも自分のビデオを見返して、どんだけ下手やねんと思う。
- ――2011年9月@モスクワ
6 <追跡ルポ(1)>
- Numberの名前を出せば、しゃべると思ったら大間違いだよ(笑)。
- ――2011年12月@バルセロナ
7 <ガチンコ勝負のコミュニケーション論>
- 人間関係を大事にするなら、本音を言わないとあかん。むしろ本音を言わない人は、逆に人間関係を大事にしていないように思える。
- ――2011年12月@バルセロナ
8 <まさかの取材拒否>
- これでインタビューをとろうなんて甘い。オレが納得する企画を持って来い。
- ――2012年3月@モスクワ
9 <現代サッカーにおける創造性>
- 理想を求めずに合理性だけで、勝つ確率を求めているんじゃ、未来を感じない。おもしろみがない。
- ――2012年5月@モスクワ
10 <それでも世界一を目指す覚悟>
- 下馬評どおり、案の定ブラジルに負けて。なんか嬉しくなる気持ちわからへんかな? 簡単に勝てたら、この先おもしろくなくなるやん、みたいな。
- ――2012年10月@ポーランド⇒モスクワ
11 <マイナス6度のモスクワにて>
- 未来なことなんていうのは誰にもわからない中で、信念だけが支えになる。
- ――2012年11月@モスクワ
12 <追跡ルポ(2)>
- 本田圭佑不在、その真実を求めて。
- ――2013年3月@モスクワ
13 <雄弁なる沈黙>
- オレのコメントなしの記事、楽しみにしてるよ。
- ――2013年5月@モスクワ
14 <ブラジルW杯出場決定>
- 人間って、気が緩んでいないと自分では思っていても、気が緩んでいるものだと思う。どうやって引き締めるかといったら、くどいほど自問自答するしかない。
- ――2013年6月@埼玉
15 <コンフェデ杯3戦全敗後の告白>
- 自信の差がそのまんまイコール格になる。負けられないというプライドが、相手を打ち負かす力になる。
- ――2013年6月@ブラジル
16 <欧州遠征の手応えと課題>
- 人間にとって、失敗って自慢できるもので。何度も言うように、失敗しているときがチャンスなんですよ。
- ――2013年11月@ブリュッセル
17 <軌跡を起こす壮大なる計画>
- 波乱を巻き起こすには、勘違いを芽生えさせなければいけない。それができるという期待を、僕は自分自身にしているんです。
- ――2013年12月@モスクワ
18 <名門ACミランへの挑戦>
- 移籍までに時間はかかりましたが、必然だった。2年前の僕では、重圧を乗り越えられたかわからない。
- ――2014年1月@ミラノ
19 <己の仕事とミラン再生計画>
- 自分は選手の立場にいても、監督としての仕事をできる。
- ――2014年2月@ミラノ
20 <ミラノでの葛藤>
- 今のチームは“普通”のタイプがいない。だからこそ普通でいること自体が差別化になるというかね。それが自分の付加価値になり得る。
- ――2014年5月@ミラノ
21 <ブラジルW杯 存在証明(1)>
- 自分の中ではここを節目にするという気持ちで挑んできた。次はないくらいの気持ちで挑むべきだと自分に言い聞かせています。
- ――2014年6月@アメリカ
22 <ブラジルW杯 存在証明(2)>
- 負けたこと自体がショックなのではなくて、「自分たちの良さを出し切れずに敗れてしまった」ことのほうがショックだった。
- ――2014年6月@ブラジル
23 <ブラジルW杯 存在証明(3)>
- 世界一のための作業が過去4年間、間違っていたのであれば、正解は何なのか。それをもう一度、一から見つけたい。
- ――2014年6月@ブラジル
24 <ブラジルW杯後の理想と現実>
- 今は自分で新たに作ったモノサシを実践している最中。いろんな挑戦をしてきたけど、今回はどのチャレンジとも違う試みになると思う。
- ――2014年9月@ミラノ
25 <新境地の功罪>
- 僕が全部やれるわけではないんでね。今は割り切って自分の能力を高めていくことに集中したい。
- ――2014年10月@シンガポール
26 <アジア杯2015 まさかの敗退>
- 勝った負けたという話で終わらせてはいけない。ここからは勝ち負けよりも、どこまで突き詰めてやっていけるかやから。それが自ずと結果になってついてくる。
- ――2015年1月@シドニー
27 <開幕直前の生存競争>
- もし自分のスタイルを貫くのであれば、移籍を視野に入れた方がいい。
- ――2015年8月@ミラノ
28 <逆境の胸中>
- 俺は多分、何かを守ろうとしている人間と根本的に思考が違う。おもしろいか、おもしろくないか。おもしろいやんとなったら、評価がズタボロになってもやる。
- ――2016年1月@ミラノ
エピローグ 本田圭佑との対話を通して。
著者プロフィール
木崎伸也Shinya Kizaki
1975年1月3日、東京都出身。2002年日韓W杯後にオランダへ移住し、2003年からドイツ在住。現地のフットボール熱をNumberほか多くの雑誌・新聞で伝えてきた。2009年2月に帰国し、海外での経験を活かした独自の視点で日本のサッカージャーナリズム界に新風を吹き込んでいる。2010年南アフリカW杯から本格的に本田圭佑を取材。アポなしで直接本人と取材交渉をするという独自のスタイルで本音を引き出し続けた。2016年7月に新メディア「REALQ」を設立。日本の食事・観光地・文化を海外の人々に向けて紹介する媒体を目指す。著書に『2010年南アフリカW杯が危ない!』『サッカーの見方は1日で変えられる』『世界は日本サッカーをどう報じたか』『革命前夜』(風間八宏氏との共著)、訳書に『ヨハン・クライフ サッカー論』『パーフェクトマッチ ヨハヒム・レーヴ 勝利の哲学』などがある。