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本田圭佑の音声データ初公開!
今、明かされる直撃取材の舞台裏。
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![Number編集部](https://number.ismcdn.jp/common/numberweb/v4/images/touch-icon-ipad-retina.png)
Number編集部Sports Graphic Number
photograph byTakuya Sugiyama
posted2016/11/22 17:00
![本田圭佑の音声データ初公開!今、明かされる直撃取材の舞台裏。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/c/a/700/img_ca2bbe3249fd3ade84ccd292ab519a2790423.jpg)
「本田くん、それは、ある意味勝ち逃げだよ」の真意。
――木崎さんは2010年W杯直後にモスクワに行って、CSKAの練習場で本田選手に「本田くん、ある意味、それは勝ち逃げだよ」と問いかけました。非常に挑発的というか、印象的な名セリフですね。
木崎 正直、喧嘩してもいいという覚悟がありました。岡田監督の直前の方針転換により、本職でない1トップで起用されながら、2ゴールをあげた本田圭佑はいわば勝者なわけです。その彼が、何を考えているのか説明する義務があると思ったんです。練習場で呼び止めて最初は雑談をしながらも「W杯のことはしゃべりたくない」と言っていたのですが、「勝ち逃げだよ」と投げかけた瞬間、感情が高ぶったというか、本田選手の心のどこかにスイッチが入った感触はありましたね。
「空港で水をかけられるんじゃないか」との言葉も。
――そこで、本田選手は本当に優勝を目指していたんだということが判明します。
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木崎 日本国民にとっては、ベスト16は十分に立派な結果だった。でも事前に“優勝”を公言した彼が「空港で水をかけられるんじゃないか」と思っていたことを聞いたとき、衝撃的というか、思わず吹き出してしまいました。さらに、これがオランダだったら誰も褒めてくれない、ロシアでも全く話題にすらならないと。優勝を目指している人間からすれば、ベスト16ごときでペラペラと喋るのは格好良くないと感じていたのでしょう。
――まさに、本田圭佑の美学だと。
木崎 その後7年にわたり取材してきてわかることですが、彼は最初に誰も考えないような途方もない目標を設定します。その上で目標から逆算してやるべきことをイメージし、がむしゃらに努力する。例えば、彼は高校生の時点で世界一の選手から逆算して自分の実力とそこに至るプロセスを考えていたんです。W杯でいえば、優勝がターゲットになる。その思考法こそが、本田圭佑の成功スタイルだと思います。