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韓国も日本も外国人監督で大混乱!?
ロシアW杯最終予選、両国を徹底比較。
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph byGetty Images
posted2016/10/19 17:00
どうしてもフース・ヒディンクと比べられてしまうシュティーリケ韓国代表監督。過去にも、ウンベルト・コエリョ(ポルトガル)、ヨハン・ボンフレール(オランダ)、ディック・アドフォカード(同左)、ピム・ファーベック(同左)と外国人監督も多かった。
各監督が、最終予選前までにこなした試合数は?
ブラジルワールドカップの最終予選で、ハン・グギョン(当時湘南)、パク・ジョンウ(当時釜山)、ユン・ソギョン(当時全南)、キム・ミョンジュ(当時浦項)がA代表デビューした。
韓国は当時、2011年末に前任者の電撃的な更迭を受け、チェ・ガンヒ(現全北現代監督)が指揮官に就任。わずか半年で最終予選が始まり、これを1年かけて戦うというスクランブル態勢を強いられた結果だった。
つまりこのデータは「チーム準備期間でのドタバタ度」を示す数字でもある。
ハリルホジッチを弁護するわけではないが、韓国と比べても、チームづくりの時間が短いという点は歴然たる事実だ。ワールドカップ最終予選に臨むまでに経た試合数は次の通りだ。
ハリルホジッチ 17試合
シュティーリケ 27試合
2015年1月のアジアカップ後に就任したため、当然、試合数が少ない。
10月1日のイラク戦後、DF吉田麻也に「前の4年間にはなかった、監督交代の影響を感じることはあるか?」と聞いてみた。
「最初は感じていました。2次予選の時は『チームを作る時間が少ないかな』と感じることはありましたけどね。でも今は感じることはないです」
ハリルジャパン、実は“伸びしろ”があるんじゃないか?
このデータ、よく捉えるべきか、悪く捉えるべきか。
もちろん17試合もやりながら、「最終予選デビュー」という選手を2人も生み出すという点は問題視すべきかもしれない。しかしここはひとつ、世の流れとは逆のことを言ってみたい。
これから伸びしろがある、ということではないか?
イラク戦後、岡崎慎司はこんなことも言っていた。
「監督のやりたいサッカーを自分たちに落とし込んでいる段階。その過程で監督から意見を求められたりもする。話し合っていくには時間が必要かな、とも思います。
例えば監督がデュエルというと、そこにとらわれ過ぎているような時もある。ボールを強く取りに行き過ぎて、かわされるような状況があったりだとか。そこは一度下がって守備をした方がいいな、と感じる時もある。
いっぽう、このチームは誰が出ても同じクオリティをつくっていける、という可能性があると思います。『この選手がいないといけない』という状態にはならない。お互いがお互いを分かり合っている部分があるので、伸びしろはあると感じます」