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韓国も日本も外国人監督で大混乱!?
ロシアW杯最終予選、両国を徹底比較。
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph byGetty Images
posted2016/10/19 17:00
どうしてもフース・ヒディンクと比べられてしまうシュティーリケ韓国代表監督。過去にも、ウンベルト・コエリョ(ポルトガル)、ヨハン・ボンフレール(オランダ)、ディック・アドフォカード(同左)、ピム・ファーベック(同左)と外国人監督も多かった。
韓国代表で海外組のコンディションが悪い理由。
最近の韓国では、監督に対する批判と同時に、「海外組のコンディションについては冷静に観よう」という論調が見られる。かつての「つべこべ言わず、国家代表に忠誠を尽くせ」といった軍隊的発想からの変化が見られるのだ。
10月11日イラン戦惨敗後の韓国のスポーツ紙「スポーツソウル」の記事が興味深かった。「キ・ソンヨン、ソン・フンミンの診断するイラン戦敗因」という記事を掲載。選手の実直な言葉を伝えた。
「韓国代表選手たちは長い時間のフライトの後、試合に臨んだ。海外組の選手たちはヨーロッパから韓国に行き、さらにここに来た。言い訳とも言えるが、高地での試合は厳しかった。結果を残せなかったことは残念だ」(ソン・フンミン)
「過程の部分で多くの困難があった。ヨーロッパから韓国に行って試合を行い、再びイランに来て試合をすることは簡単ではなかった。こういった状況を“理解してほしい”というつもりはない。コンディションの説明の仕方は難しいところだ」(イ・チョンヨン)
日本のハリルホジッチは、9月29日のメンバー発表会見で、クラブで出場時間の少ない欧州組を多数選出した。これについて「他に選手がいるだろうか」という趣旨の発言をした。これを受け、「試合に出られない海外組よりも国内組を」という論争が巻き起こった。健全な批判だ。海外組の試合出場状況や移動によるコンディションの見極めはよりシビアにすべきだと思う。
最終予選で新戦力をデビューさせている事情。
一方、両国に差異があるポイントで、注視すべきデータがある。
「今回、ワールドカップ最終予選でA代表デビューした選手の数」
日本:2
韓国:0
日本はここまで4試合で2人だ。9月1日のUAE戦で先発出場した大島僚太と、10月11日の丸山祐市。一方の韓国はゼロ(ひとりDFコ・グァンミン=FCソウルがエントリーに入ったが出場なし)。
他媒体がほとんど触れないこのデータだが、じつは要注目だ。
大島は日本サッカー史上初めて、A代表デビューがワールドカップ最終予選での先発出場となった選手だという。近年は、親善試合などで一度は試されたうえで、“本番”で起用される形が通常だ。
一方、韓国にはかなり極端なデータがある。
前回大会の「4人」だ。