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一流の選手は、一流の言葉を発する。
清武と原口の成長に見る奇妙な相関。

posted2016/10/18 11:00

 
一流の選手は、一流の言葉を発する。清武と原口の成長に見る奇妙な相関。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

オーストラリア戦でも得点を決め、これで代表戦で3戦連続得点となった原口。ハリルジャパンの得点源として、完全に定着したといえる。

text by

安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

PROFILE

photograph by

Takuya Sugiyama

 正直、驚いた。

 長年サッカーを取材していて、ずっと感じていたことがあった。この度、日本代表でプレーする2人の選手の変貌ぶりを見てその感覚が確信に変わった。

 その選手とは、25歳の原口元気と26歳の清武弘嗣。共に海外に出てプレーし、日本代表でも欠かせない重要な存在になりつつある2人だ。

 この2人を見て何を感じたのか……それは「たかが言葉、されど言葉」ということだ。

“コメント力”とよく言うが、一流選手はインタビューや取材に対し、非常にしっかりとした受け答えが出来る。もとを辿れば、しっかりとした受け答えが出来るからこそ、その地位に上ることが出来た、とも言える。

優れた選手は“コメント力”にも優れる。

 ここで言う“コメント力”は、親しい間柄だったり関係性が深い人間との会話ではなく、「不特定多数の囲み取材における発言力」と捉えて欲しい。

 記者からの咄嗟の質問に対し、いかに対応出来るか――。当然、選手にはそれぞれ性格があるし、年齢的な問題もある。人前でしゃべることを苦にしない選手もいれば、人見知りだったり、しゃべることが得意でない選手もいる。もちろん、経験を積んだ大人と若い年代との差はある。

 しかし、状況や性格が十人十色であることを前提として、いかに質問に対して、建設的で思慮深く言葉を発することが出来るか。勢いに任せて言葉を出すのではなく、ワンクッション置きながら、一度自分の中に飲み込んでから発言をしているか……といった能力のことだ。

 この観点からすると、Jリーガーの中でも“コメント力”が乏しい選手が多くいるように思う。

 実は、原口と清武の両者も、以前はどちらかというとそちらの部類に入る選手だった。

【次ページ】 ユース時代から抜きん出ていた原口と清武の才能。

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