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韓国も日本も外国人監督で大混乱!?
ロシアW杯最終予選、両国を徹底比較。
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph byGetty Images
posted2016/10/19 17:00
どうしてもフース・ヒディンクと比べられてしまうシュティーリケ韓国代表監督。過去にも、ウンベルト・コエリョ(ポルトガル)、ヨハン・ボンフレール(オランダ)、ディック・アドフォカード(同左)、ピム・ファーベック(同左)と外国人監督も多かった。
「準備段階で苦しんだほうが本大会でいい結果を残す」
日韓のワールドカップ挑戦史を紐解くと、「準備段階で苦しんだほうが本大会でいい結果を残す」という法則がある。
'02年大会が象徴的な例で、'06年大会以降も僅差ながら、苦しんだほうがいい結果を残している。
韓国が無敗で予選突破した'10年大会、日本はオシムの退任後、岡田武史がチーム作りで苦しんだ。本大会では同じベスト16の結果だったが、決勝トーナメント1回戦でパラグアイ相手にPK戦に持ち込んだ分、日本が成績面では上回った(韓国はウルグアイに90分以内で敗戦)。
準備過程をいい状況で歩むことは大切なことかもしれない。しかしこれまで日本は、準備段階が順調に見えた時ほど「尻すぼみ」になってきたのだ。
今回は、韓国がすでに「下降現象」にあり、日本は「まだよい時を経験していない」という状況だ。ハリルホジッチ就任後、「このチームやるな」と強いインパクトを残したゲームは一度きり……今年の6月3日、キリンカップでブルガリアを7-2で下した時くらいだ。まあ相手が相手だったのだが。
誰もW杯出場前の予選順位なんて気にしないのだから。
監督交代を経験した日本と、していない韓国。
両国は、近年のワールドカップとは違う歩みを進んでいる。ロシアワールドカップに向かうこのふたつのチームは、これまでとはちょっと違う成長があるのではないか?
日韓をウォッチングしているとそんなことも思う。
両国には、グループ2位だろうが、プレーオフでの勝ち抜きだろうが、もっというと内容がどうであれ、ひたすらに「予選突破」の結果のみを求めたい。
カッコ悪かろうが、なんだろうが。
ここまで5回のワールドカップ出場で、筆者自身も思い知ったことがある。誰もW杯に出場する前の地域予選での順位など気にしないのだ。本大会でピークがくるチームをぜひ一度見てみたい。その時……監督が誰なのかは別にして!
あくまで参考だが、ハリルホジッチは'14年ワールドカップ時、アルジェリア代表監督としてグループリーグ最終戦で突破を決め、酷評をひっくり返した。さらに決勝トーナメント1回戦のドイツ戦での善戦で称賛を浴びた監督だ。本人はそこを評価されて日本からオファーを受けたと思っているのではないか?