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韓国も日本も外国人監督で大混乱!?
ロシアW杯最終予選、両国を徹底比較。
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph byGetty Images
posted2016/10/19 17:00
どうしてもフース・ヒディンクと比べられてしまうシュティーリケ韓国代表監督。過去にも、ウンベルト・コエリョ(ポルトガル)、ヨハン・ボンフレール(オランダ)、ディック・アドフォカード(同左)、ピム・ファーベック(同左)と外国人監督も多かった。
シュティーリケ監督の舌禍からメディアに火がつく。
現に6日のカタール戦ではセンターバックのホン・ジョンホが15分にPKを与え、ミスに焦って66分に退場を受けるひとり相撲。ソン・フンミン、キ・ソンヨン、チ・ドンウォンら海外組の役者のゴールでなんとか逆転勝ちした、という形だ。
いっぽう、続くイラン戦では攻撃陣が全く機能せず、「枠内シュートゼロ」という厳しい敗戦。2011年のアジアカップ準々決勝の勝利を最後に、3連敗中の相手に完敗した。
結果をより悪く見せているのが、シュティーリケによる舌禍だ。
「イラン戦の完敗よりも失望の大きいシュティーリケのインタビュー」(『韓国日報』)
最初の“事件”は、10月シリーズの1戦目と2戦目の合間に起きた。カタール戦を終え、10月7日、仁川空港から次戦イラン戦のために出国する際に、サポーターからブーイングを浴びた。これに対し、シュティーリケはメディアの前でこう言い放った。
「私がイランに行かない方がいいのかもしれない」
国内ではこれが「過剰すぎる反応」、「指揮官が言うべきではない言葉」と捉えられた。さらにイラン戦の敗戦後の会見ではこうも。
「後半からキム・シヌク(196センチ)を投入して(先に対戦した)カタールのようなロングボールから攻撃機会を狙ったが、上手くはいかなかった」
「前線にセバスティアン・ソリア(ウルグアイから帰化したカタール代表FW)のような選手がいないからこうなった(負けた)」
これらの発言は監督の責任転嫁と見なされ、大炎上。これまでも韓国の選手名を挙げて会見で批判することがあり、シュティーリケの悪い癖と認識されている。
選手に監督のコメントへの批評を言わせたメディア。
シュティーリケ批判を焚き付けたいメディアは、わざわざ選手にこの発言への反応を求めた。
「他国の選手について言及したのは、韓国選手の士気を下げると思う」(ソン・フンミン)
この件に関して、シュティーリケ自らが13日の帰国時にメディアに対して「選手と面談を持ち、誤解は解けた」と火消しに走らざるを得ない事態になった。
そもそも韓国にとって、シュティーリケは2014年9月の就任時からして「第2志望」の存在だった。第1希望のファンマルバイク(オランダ代表監督として南アワールドカップ準優勝)との交渉が決裂した末にオファーを出した。