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大谷翔平をどう語れば良いのか!?
プチ鹿島9月のスポーツ新聞時評。 

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プチ鹿島

プチ鹿島Petit Kashima

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2016/09/30 17:30

大谷翔平をどう語れば良いのか!?プチ鹿島9月のスポーツ新聞時評。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

シーズン中で最大11.5ゲーム差からの大逆転劇。優勝を決めた試合では、大谷が1安打の完封劇……あまりにも出来すぎた物語である。

スポニチの見出しで、オヤジジャーナル万歳!

 藤村とか景浦とか、ここでも歴史上の人物たちが出てきてやっぱりピンとこない。詳細なデータ記事は十八番の日刊スポーツだけど、大谷翔平をデータ化すればするほどファンタジックな記事になるのである。

 こういうとき、「日ハムの奇跡」に焦点を合わせたほうがスポーツ新聞は「らしさ」を発揮する。

 唸ったのはスポーツニッポン(9月29日)。「11.5差から大逆転」と前フリをしておいて、

「ドリームズ・ハム・トゥルー」

 あー、たまらん。これです、これ、私がスポーツ新聞を読むのが楽しみなのは! オヤジジャーナル万歳! これが「日ハム優勝見出し」の優勝でした。

 ほかに各紙で見られたのが次の見出し。北海道を舞台にしたあのドラマにひっかけたフレーズだ。

「北の国から2016伝説完結」(スポニチ)
「北の国から2016 ~伝説」(サンスポ)
「北の国から2016伝説だね」(日刊スポーツ)

 どこもネタがかぶりすぎだと思ったら、このフレーズは栗山監督が発信源でした。情緒的でベタな物語性はスポーツ新聞の潤滑油である。超アスリートの大谷の表現のむずかしさに比べてなんか安心した。

鈴木誠也は広島のスカウト力の象徴。

 日ハムの大逆転優勝に対し、シーズンを通してぶっちぎって9月10日に早々と優勝を決めたのはセ・リーグの広島カープ。

「鯉党はこの瞬間を25年待っていた 広島V」(サンスポ・9月11日)

 カープの強さについては優勝決定前から各紙さまざまな記事を載せていた。苑田スカウト統括部長のインタビュー(日刊スポーツ・9月8日)では、「常に注視するのは『打者はチャンスで打てない時の態度、投手はピンチで打たれた時の態度』」という言葉が際立った。

 そういえば今季大ブレイクした鈴木誠也を「チャンスで凡退してベンチに戻るときの鈴木誠也の顔は本当に怖い」と評するコメントを各所で読んだ。鈴木誠也は広島カープのスカウト力の象徴なのかもしれない。

【次ページ】 カープを題材に、学校の授業を行なう広島県。

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