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今オフ、本田圭佑はなぜ出ずっぱり?
「伝えたいことが増えてきている」
text by
西川結城Yuki Nishikawa
photograph byAFLO
posted2016/08/05 15:30
次シーズンの準備をしながら、あらゆることを同時進行で進める本田圭佑のバイタリティはどこから生まれるのだろうか。
すでにアフリカで教育分野の調査を開始。
そうした観点を踏まえて、最後に現在本田が実現に向けて力を注ごうとするプランの1つを紹介する。そこにはクラブ経営者として、そして教育者、さらにはサッカー人と、本田の全ての側面が見え隠れする。
「新たに教育の分野にも取り組み始めている中で、実際にアフリカに何人か人材を送り込んで現地調査をしています。そこで、貧しくてご飯も食べられないような子供たちに、サッカーを通じて夢を与えたい。そしてその先に、現地で我々が持つ運営メソッドを生かしてサッカースクールやクラブチームを作り、そこで育った有能な選手が将来的にホルンにやってきて、ヨーロッパでプロとして勝負する。そういう理想の実現に向けて、動き出そうとしています。だから私もホルンがすぐに黒字にはならないまでも、クラブが潰れないように資金面で支えていかないといけません。こうした活動も、途中で頓挫したら意味がないので。
もちろん貧しい子供たちを救済するという、言ってみれば綺麗な話だけではありません。我々にとってもメリットがあります。例えば、発展途上の東アフリカなどで育ってきたポテンシャルの高い選手をホルンに連れてくれば、選手にとっては挑戦の場になり、クラブにとっても初めは高い給与ではない条件で雇うことができる。理想論としても現実論としても、実現できれば意義のある活動になります」(神田氏)
2部に昇格し、すでにリーグ戦を戦うホルン。直近に迫る眼前の課題と、未来への可能性。経営者・本田、そしてクラブスタッフの試行錯誤はまだまだ続いていく。