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今オフ、本田圭佑はなぜ出ずっぱり?
「伝えたいことが増えてきている」 

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西川結城

西川結城Yuki Nishikawa

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posted2016/08/05 15:30

今オフ、本田圭佑はなぜ出ずっぱり?「伝えたいことが増えてきている」<Number Web> photograph by AFLO

次シーズンの準備をしながら、あらゆることを同時進行で進める本田圭佑のバイタリティはどこから生まれるのだろうか。

放映権をドイツの会社から買い取り、現在交渉中。

 もう1つ、クラブが抱えていた懸案事項が、放映権の問題だった。

 昨季までいた3部は地元オーストリアでも全国放送がなく、各クラブが自由に試合の放映ができた。しかし2部や1部は、すでに放映権を確保している企業が存在する。しかしホルンの場合、オーストリア国内はもとより、日本に向けた放送が生命線となる。日本のスポンサーにとっても、ただでさえ欧州の中堅国のクラブを支援することの意義が問われるなか、日本での放送がなければ、スポンサードの大義名分すら得られない。

「厳密に言うと、1部、2部リーグのオーストリア国内の放映権はスカイが保有しています。それ以外の国外向けの放映権はドイツにある会社が保有していたので、我々はそこと交渉に臨みました。正直、2部のクラブで海外向けの放送権利を買うところなんてどこもないでしょうから、かなり足元を見られた高い金額を提示されたりもしました。ただ最後はうちが無事に独占契約することができました。

 この放映権を、すぐに現金化することは目的ではありません。あくまで日本にホルンを周知させるために、必要なツールという考えでした。現在、国内の何社かと前向きな交渉ができています。もちろん放映権で大きな儲けを出すまでには至っていませんが、うちとしては視聴する人数を増やしたいので、今後もいろいろな媒体と話し合っていきたいというのが正直な思いです」(神田氏)

ホルンだけではなく、スクールや教育も立体的に。

 多くのポテンシャルスポンサーをさらに振り向かせるためにも、ホルンの今後のブランディングは大きなカギを握る。本田が直接経営に参加しているとはいえ、クラブ自体は日本からは遠いオーストリアの2部。企業にとって、直接的なビジネス活動を展開しにくい土地であることは間違いない。

 そこで、本田サイドは今後の営業策をこう描いている。

「ホルンだけのビジネスを持ち込んでも、理解してもらえる会社はまだ少ない。費用対効果もそれほど見込めないのが事実でしょう。本田が考えているのは、スクール経営や今後のアメリカでのビジネス展開、さらには教育活動や社会貢献など、今行っている活動を立体的に捉えて、それを1つのプロジェクトとして企業側に売り込んでいくという方法です。このプロジェクト全体のCSRとしての価値も認めてもらえるようなアプローチが、我々には必要です」(神田氏)

【次ページ】 すでにアフリカで教育分野の調査を開始。

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