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鹿島の“真髄”を象徴するあるプレー。
浦和の流れを覆したFWのプレス。 

text by

飯尾篤史

飯尾篤史Atsushi Iio

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photograph byJ.LEAGUE PHOTOS

posted2016/06/14 11:30

鹿島の“真髄”を象徴するあるプレー。浦和の流れを覆したFWのプレス。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

小笠原満男を中心に作り上げられた老獪なチームに、スパイスを加える金崎夢生。絶妙のバランスで今の鹿島は出来ているのだ。

攻守に圧倒的な存在感を放った小笠原満男。

 昌子が言う。

「優磨は普段、サイドハーフに入るし、カイオはだんだん守備ができなくなってくるから今日もサイドハーフに入れるのかと思ったら、FWに入れた。そうしたら優磨がPKを取って決めるんですから、監督、すげえなって」

 最後に、小笠原満男にも触れないわけにはいかないだろう。浦和に2-0で完勝したこの試合のマンオブザマッチは彼だと思う。李忠成を何度も潰して浦和の攻撃を寸断し、ディフェンスラインに入ってクロスを跳ね返した。攻めては絶妙なフィードを前線に送り、ミドルシュートも放つ。PKにつながるクロスを入れたのも、背番号40だった。その運動量は、13歳下の柴崎に勝るとも劣らないものだった。

 思えば、昨年10月にこのスタジアムで行なわれたナビスコカップ決勝でも、出色の出来でチームにタイトルをもたらしたのは小笠原だった。大一番になればなるほど存在感を高めるキャプテンの、なんと頼もしいことか。

 2位の鹿島と3位の浦和の大一番は、鹿島の老獪さが随所で際立ったゲームだった。

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