ブックソムリエ ~新刊ワンショット時評~BACK NUMBER
サッカーが中心でなくても、よい。~「まあまあ好き」というゆるやかなサポーターのあり方~
text by
幅允孝Yoshitaka Haba
photograph byWataru Sato
posted2016/06/13 08:00
『「能町みね子のときめきサッカーうどんサポーター」、略して 能サポ』能町みね子著 講談社文庫 590円+税
サッカースタジアムで、そのチームを長く深く応援しているサポーターが尊敬を集めるのはよく聞く話だ。一方、決して長くも深くもチームを応援していないけれど、実に楽しそうなサッカーとの付き合い方もあるのだと教えてくれるのがこの1冊である。漫画家・エッセイストの能町みね子が漫画『GIANT KILLING』の別冊ムックに書き下ろしたコラムをまとめた『能サポ』。オフサイドのルールはかろうじて知っているけれど、Jリーグの知識はアルシンドで止まっているという彼女が、ひょんなことから「カマタマーレ讃岐」のゆるやかなサポーターになっていく過程をにぎやかに描く。