サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
ブルガリア戦7発、輝くボランチ柏木。
“ポスト遠藤”問題がついに解決か。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byTakuya Sugiyama
posted2016/06/04 12:30
前半の3点に絡んだ柏木陽介。ボランチが攻撃の起点として機能した意味は大きい。
4得点すべてにボランチが絡んだことの意味。
前半27分、香川のヘディングゴールは、柏木から長友佑都へのサイドチェンジが起点になった。
前半35分には、柏木が左サイドから右の深いスペースにボールを出し、岡崎が我慢してキープし、小林悠に渡した。小林がクロスを入れて清武弘嗣がスルーして香川が決めた。このゴールを含めて3点すべて柏木が絡んでいたのだ。
すると長谷部が「自分も」とばかりゴールに絡んだ。前半38分、右CKから香川、そして長谷部につながり、そのままファーサイドに上げた。それを森重真人が折り返して吉田麻也がヘディングで冷静に決めた。
前半、勝負を決めた4得点すべてにボランチが絡んでいたのは大きな意味を持つ。
長谷部-柏木はかつての長谷部-遠藤のようになりそう。
アジアのチームのように引いて守ってきた場合、ボランチがフリーになることが多い。その時、柏木がこの試合で見せたように攻撃の起点になって大きな展開からチャンスを作ったり、あるいは左サイドで清武らとダイレクトを絡ませて局地戦で打開していくなど、いろんなパターンの攻撃が必要とされるのだ。それを実現できる選手は、なかなかおらず、これまで柴崎岳、山口蛍らが試されてきたが、まだ決定的ではない。
長谷部-柏木のコンビは縦関係でうまく攻守のバランスが取れていたし、攻守のトランジションも速かった。このまま継続していけばボランチのコンビとしていちばん安定していたザッケローニ時代の長谷部と遠藤保仁のようになりそうだ。
柏木も長谷部とのコンビにそれなりの手応えを感じている。
「基本はハセさんがうしろにいるけど、ハセさんが前に出ていく時は、自分がうしろにいるようにしている。これから一緒にやる時間を重ねていけば良くなっていくと思う」
だが、不安がないわけではない。