“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
小中高プロ、そしてU-19代表でも――。
和田昌士と遠藤渓太は「最高の2人」。
posted2016/05/23 17:45
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Takahito Ando
価値ある35分間だった。
昔から仲がよく、ずっと一緒にサッカーをしてきた2人が、韓国の地でその良好なライバル関係をさらに深めた。
横浜F・マリノスの和田昌士と遠藤渓太は、小学校時代は二俣川SC、中学校時代は横浜FMジュニアユース、高校時代は横浜FMユース、そして2016年に共にトップ昇格と、これまでのサッカー人生の大半を一緒に過ごしてきた。
だが中学に入った頃から年代別日本代表に選ばれるようになった和田に対し、遠藤は代表とは全くの無縁のままだった。FWの和田はボールコントロールと状況判断能力に優れ、ゲームメイクとアタッカーの両方をこなし、MFの遠藤は切れ味鋭いドリブル突破と質の高い裏への飛び出しが武器と、2人とも高い能力を持っていることに疑いはない。
しかし、徐々に2人の「序列」ははっきりとついていく。
トップ昇格も危うかった遠藤がブレイク。
高2になると和田は、チームが提携したマンチェスター・シティのU-18チームに短期留学し、そこで高い評価を受けたことで、日本でも一気に注目度が上がった。さらに昨年2月には、プレシーズンマッチながら松本山雅戦に先発出場し、トップデビューを飾っている。
華々しくスポットライトを浴びる和田に対し、遠藤は日陰の存在のままだった。高3になると和田は当然のように2種登録をされ、「トップ昇格確実視」される一方、遠藤は「昇格見送り濃厚」だった。
明暗がくっきりと分かれていくかと思われたが、ある時、大きな変化が生まれた。以前コラム(「絶対に負けられないU-19日本代表。新風を吹き込む2人の18歳を検証。」)で書いたように、高3の日本クラブユース選手権で遠藤が大ブレイクしたのだ。