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大迫勇也が「ホームシック」?
ドイツ紙の記事が出た背景とは。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byDennis Grombkowski/Bongarts/Getty Images
posted2016/05/21 17:00
ケルンでの2シーズン目、開幕戦ゴールで話題をさらったが、それが今季唯一のゴールに。厳しいシーズンを越えて再起を期す。
開幕戦でゴール、しかし怪我が。
最初の痛手は、開幕戦での怪我だった。
0-0の状況で途中出場を果たして流れをひきよせ、劣勢だったチームは3-1で勝利をつかみ、大迫自身もゴールも決めた。ケルンにとって10年ぶりとなる開幕戦での勝利でもあった。しかし、この試合で左ひざを負傷して、2試合の欠場を余儀なくされた。
「復帰してからもなかなかコンディションは上がらなかった」
それでも、ウインターブレイクを経て、2016年の最初の試合となったホームでのシュツットガルト戦では、2トップのうち引き気味のポジションで先発した。シュート数はチーム2位となる4本を放ち、攻撃的なポジションでは最多となる70回のボールタッチ(チーム内では4位)を記録した。そして、ケルンは試合内容でもシュツットガルトを圧倒した。しかし、決定機を決めきれず、逆に守備が崩壊して、1-3で敗れてしまう。
ターニングポイントになったシュツットガルト戦。
大迫も、後半戦最初のシュツットガルト戦をターニングポイントに挙げている。
「あそこで、オレ自身も手ごたえはあって、良い感じでできていたけど、守備が崩壊してしまった。3-1で勝ってもおかしくない試合なのに、1-3で負けて。そこから監督も守備的な考えになっていったので……」
ウインターブレイク中に補強をしたこともあり、そこからは、守備的な5バックを採用する試合も増え、サイドの選手の個人技とロングボールをセンターフォワードのモデストにめがけて蹴るようなサッカーとなっていった。
そうした変化のなかで、攻撃は1トップと、サイドのMF2人、あわせて3人の個の力に頼るような形も増えていく。不動の1トップにはモデストがおり、大迫はサイドのMFとして先発して、ハーフタイムに交代を命じられたこともあった。