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大迫勇也が「ホームシック」?
ドイツ紙の記事が出た背景とは。
posted2016/05/21 17:00
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Dennis Grombkowski/Bongarts/Getty Images
「オオサコはホームシックにかかっている」
そんなニュースがドイツメディアに出たのは今月はじめのことだった。
そんな報道を受け、大迫勇也は困惑しながら、こう話した。
「ホームシックも何も、こっちに家族も一緒にいるので。『日本の春の季節はどう思いますか?』みたいな感じで聞かれて、『桜もキレイで、すごく良いですよ』と通訳を通して答えたら、そういう報道になりました。気にはしていないですが、その記事を見た色々な人から連絡がきたから……」
もちろん、本意と異なる報道が出るのは、ドイツメディアの質が問われる問題だ。
その是非は問うまでもないが、その記事が出た背景にあるのは、大迫が苦しんだ要因を探ろうとして彼らがインタビューに臨んだということだ。
第1節のゴールがシーズン唯一の得点だった。
ブンデスリーガの1部に所属する日本人10選手のなかで最も早く、第1節にゴールを決めたのが大迫だった。
しかし、その後にゴールを積み重ねることはできず。今シーズンはスタメンが14試合、途中出場が11試合、1ゴール、1アシストに終わった。
昨シーズン終盤に4-4-2のフォーメーションで結果を残し、大迫も最後にはレギュラーとなり、最終節ではゴールも決めた。
「昨シーズンの最後のほうとかはけっこう手ごたえもあって、2トップを組んだウジャ(現ブレーメン)も動くタイプだったから、自分も前に行けたし、良い形でできていたけど……」
今シーズンに臨むにあたりシュテーガー監督はプレシーズンから4-1-4-1を採用。そのなかで大迫はセンターハーフやサイドのMFとして起用されることも多かった。このフォーメーションには多くの選手が戸惑いを見せており、開幕からほどなくして変わることになったのだが……。