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大迫勇也が「ホームシック」?
ドイツ紙の記事が出た背景とは。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byDennis Grombkowski/Bongarts/Getty Images
posted2016/05/21 17:00
ケルンでの2シーズン目、開幕戦ゴールで話題をさらったが、それが今季唯一のゴールに。厳しいシーズンを越えて再起を期す。
安全第一で、失点しないことを求めるサッカーに。
「4バックにセンターバック(を本職とする選手)が4枚並んだり、5バックの5人全員がセンターバックだったり、安全第一で、失点しないことを求めるサッカーになりましたね。前線に大きい選手を置いて、中盤は省略する形になる。パスをつなごうとすれば、できる選手はいるんですけど、なかなか、そういう風にはなっていかないところがあった」
サイドでプレーしていても自身の特長は出づらいし、楽しくサッカーができないと考え、大迫は「中央のポジションで起用してほしい」と監督に伝え、シーズンの終盤にはそうした機会も増えていった。ただ、それでも、個人的には目に見える形で成果を残せなかった。
ただ、見逃せないのは、そうしたシュテーガー監督の方針のもとで結果がついてきたことだ。
ケルンは9位で今シーズンを終えたが、一時はヨーロッパリーグ戦の出場権に届きそうになったし、これは'92-'93シーズン以降で最高の成績だった('91-'92シーズンに4位に入っている)。そして、今季からケルンにやってきたモデストは1トップとして、リーグ5位となる15ゴールを決めた。
「オレのところで点を獲るチャンスはけっこうあった」
だから、大迫は環境のせいにするつもりはない。
「結局、オレのところで点を獲るチャンスはけっこうあった。数えるほどしかなかった、というわけではないから。そういうところで決めておけばもっと流れも良くなっていたと思うし、後半戦もずっと試合に出られたと思いますから。
オレが出てもパスの出し手になって、そこからチャンスを作る形になっているから。そのために、なかなかゴール前に入っていけないと思うし。ただね、それでも自分にアシストがついていないからね。ついていなかった部分もあるとは思うけど……」
昨シーズン終了後に行なわれた日本代表の試合を経て、大迫は昨年の6月17日からオフに入ったが、6月23日にはドイツ行の飛行機に乗り込まないといけなかった。