月刊スポーツ新聞時評BACK NUMBER
プチ鹿島、4月のスポーツ新聞時評。
阪神高山、DeNA今永、そして熊本地震。
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph byHideki Sugiyama
posted2016/05/02 15:30
開幕前から新人離れした活躍を続けていた高山。好不調の波をいかにコントロールできるかが課題。
今永の人気は上がるが……まだ勝てない。
「どちらかと言えば優等生的コメントに終始する選手が多い中で、今永のような『自分の言葉』を持つ若手選手は希少な存在だ。しかも、普通なら気落ちしてトーンも落ちる敗戦後なら、なおさらだ。言葉の裏には、今永の『負けの哲学』があった」
この報知の記事のあと、今永は阪神戦に登板したが、14三振を奪う好投ながらまたもや敗戦投手になった(4月29日甲子園)。
「14K今永の悲劇 33イニング援護2点だけ」(日刊スポーツ・4月30日)
今永は言葉だけでなく面構えもとてもいい。
人をひきつける。いつか来る初勝利の日に注目だ。
震災に対し、「スポーツ新聞ができること」は?
4月14日に発生した熊本地震。スポーツ新聞はどう報じたか。
「九州男児はあきらめない 福岡出身吉村ミラクル実現 代打同点弾サヨナラ弾」(サンスポ・4月18日)
「さすが福岡の男ばい 村田V打」「さすが佐賀の男ばいV打 高浜」「伊東監督さすが熊本の男ばい 首位死守」(日刊スポーツ・4月18日)
「九州の皆さん首位浮上です。柳田日本タイ 18試合連続四球」(日刊スポーツ・4月20日)
これらはほんの一例である。スポーツ新聞が「自分にできること」。それはこういうとき、大仰と言われても、見出しや記事で勇気づけることだろう。
まさに「どうでもいいことなのに、無くなると困る」存在なのである。
私は今日も、スポーツ新聞を読む。