“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER

4月9日、高校プレミアリーグ開幕。
東福岡vs.市立船橋の名勝負再び! 

text by

安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

PROFILE

photograph byTakahito Ando

posted2016/04/08 11:00

4月9日、高校プレミアリーグ開幕。東福岡vs.市立船橋の名勝負再び!<Number Web> photograph by Takahito Ando

東福岡、市立船橋ともに名門中の名門ではあるが……まだプレミアリーグでは頂点に立っていない。今季、新たな歴史を刻むことはできるか?

両チームともに昨季のメンバーが残っている運命。

 東福岡と市立船橋……今年も間違いなく2つのマンモスチームが高校サッカー界を牽引するはずだ。

 今年の両チームに共通しているのが、昨年のレギュラー、主軸のメンバーが多く残っていること。共にJクラブのスカウトが注目する選手がおり、昨年の因縁を残すメンバーが中核を成しているのである。

 それゆえに今年もこの両雄の試合は、どの大会の試合でも間違いなく全国トップレベルで、注目カードなのである。

 そして、その因縁の戦いが早くも今季実現した。

 それは市立船橋サッカー部が主催となって行われた船橋招待U-18サッカー大会。大会の実行委員長であり、市立船橋高校サッカー部監督でもある朝岡隆蔵は、この大会に東福岡を招待し、予選リーグでの対決をマッチメークしたのである。

 朝岡はこの意図をこう説明した。

「昨年のインターハイ決勝で負けたときに、『来年の船橋招待に絶対に東福岡を呼ぼう』と決めたんです。理由は単純にウチより良いチームだし、プレミアリーグでも東西違うので、なかなかやれる機会が無いと思った。それにウチは一度負けた相手と次やるときは、絶対に勝つ。必ず再戦をしたいと思ったので、東福岡を招待しました。その時はまさか高校選手権で再戦するとは思いませんでしたが(笑)」

 負けっぱなしでは終われない。沸々と燃え上がる名門の血潮があった。

 それに対し、東福岡高校サッカー部監督の森重潤也も、「市船に勝つことが出来なければ、全国優勝は考えられない。市船と戦うことは、全国での自分達の立ち位置、目指すべきものを推し量る重要な指標になる」と、王者の血潮を燃え上がらせていた。

両校ともにベストメンバーで激突!

 2016年4月2日。市立船橋の練習グラウンドでもある、船橋法典グラスポ球技場で両雄は相まみえた。

 当然のようにベストメンバーで臨んで来た市船に対し、東福岡も日本高校選抜のヨーロッパ遠征帰りでプロ注目のMF藤川虎太朗と鍬先祐弥をスタメンで起用し、こちらもベストメンバーで臨んだ。

 試合は因縁対決にふさわしい、激しいものとなった。

 めまぐるしく攻守が入れ替わる中で、非常に強度の高い戦いが繰り広げられた。

 先制したのは東福岡だった。17分、MF青木駿のパスを受けた藤川が、約25mの位置から前に出ていたGKの位置を良く見て、山なりのミドルシュートを叩き込んだ。47分(試合は40分ハーフ)、今度は市立船橋MF野本幸太が同点ゴール。さらに60分には、市船DF桧山悠也が敵先制弾の藤川のお株を奪うような約25mの無回転ミドルをゴール右上隅に突き刺し、市立船橋が逆転。だが、67分には東福岡のMF濱田照平からのスルーパスに抜け出したFW佐藤凌我がそのままゴールに流し込み、すぐさま同点に追いつく――。

 白熱したシーソーゲームは、互いに決定機を作り出すも、両GKがビッグセーブで防ぐなど、最後までスリリングな展開を見せ、2-2のままタイムアップの時を迎えた。

 因縁の対決、またもフルタイムでドローである。

【次ページ】 できれば東西プレミアの王者として、頂点で戦いたい。

BACK 1 2 3 4 NEXT
#東福岡高校
#国見高校
#市立船橋高校
#朝岡隆蔵
#森重潤也
#藤川虎太朗
#鍬先祐弥

Jリーグの前後の記事

ページトップ