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Jクラブスカウト注目ナンバーワン!
京都橘高FW岩崎悠人、17歳の苦悩。
posted2016/04/09 10:40
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Takahito Ando
鹿島、FC東京、G大阪、大宮、横浜FM、浦和、川崎、C大阪、京都、千葉……。4月1日から3日にかけて、千葉県内で行われた船橋招待U-18サッカー大会に多くのJリーグクラブのスカウトが集まった。この大会は市立船橋高が主催となり、東福岡高、前橋育英高、広島皆実高、東京Vユースなど、全国制覇経験のある錚々たる強豪校が集結するとあって、もともと注目度は高かったが、それに輪をかける一人の選手の存在があった。
京都橘FW岩崎悠人。
彼の魅力はずば抜けたスピードと、左右両足から繰り出される強烈なシュートにある。一瞬のスピードはもちろん、トップスピードを維持したまま、正確なボールコントロールでDFラインを突破していく。それを警戒してリトリートをしても、今度は強烈なミドルシュートが左右両足から飛んでくる。
「高校世代ナンバーワンタレント」
彼のハイスペックぶりは、小学校時代にやっていた水泳が大きく影響している。そこで筋力バランスが整い、肩甲骨の可動域や、関節の柔らかさなどが培われた。水泳の実力も本物で、小3と小4でジュニアオリンピックにも出場している。サッカーでは京都橘高で1年からレギュラーを掴み、昨年はU-18日本代表としてAFC U-19選手権予選に出場。今年も高3ながらU-19日本代表に定着をしているタレントだ。
このハイスペックな才能は、今年の「高校世代ナンバーワンタレント」として、多くの大人達が魅了され、昨年から既にJクラブの激しい争奪戦が繰り広げられている。
その「渦中の人物」がこの大会に参加していたのだから、各Jクラブのスカウト達が集結するのは、至極当然のことであった。
その「熱」は凄まじかった。岩崎が所属する京都橘の試合。タッチラインの奥にあるスタンドやフェンスの前には、スカウトがずらりと並び、彼のプレーを食い入るように見ていた。さらに試合が終わり、引き上げようとする彼にスカウトやJクラブ関係者が次々と声をかけ、話をする姿が見られた。