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4月9日、高校プレミアリーグ開幕。
東福岡vs.市立船橋の名勝負再び!
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2016/04/08 11:00
東福岡、市立船橋ともに名門中の名門ではあるが……まだプレミアリーグでは頂点に立っていない。今季、新たな歴史を刻むことはできるか?
あの“赤い彗星”が……復活した。
かつて圧倒的な強さで高校サッカー界を席巻し、“赤い彗星”とまで呼ばれた彼らが、また新たに高校サッカー界を席巻しようとしている。
2014年度には中島賢星と増山朝陽を擁して、インターハイを制すると、昨年度は2年生がスタメンに多く名を連ねる中、インターハイ2連覇。そして高校選手権でも決勝で國學院久我山(東京)を5-0と寄せ付けず、17年ぶり3度目の優勝を手にし、2冠を達成した。
さらにJユースのトップも高校のサッカー部も共に参加して競いあう、“ユース年代最高峰のリーグ”である「高円宮杯プレミアリーグ」(以後、表記は「プレミアリーグ」。イーストとウェストの2リーグある)においても、東福岡はリーグ立ち上げの2011年から参加し、昨年度はウェストを制したG大阪ユースに2勝を挙げるなど力を発揮し、ウェスト2位の成績を収め、史上最も難しいとされる3冠達成のあと一歩まで迫った。
過去とは比べ物にならないほどの快挙をやってのけた東福岡は、「マンモスチーム復活」を強烈に印象づけた。だが、そんな圧倒的な力を持つ彼らが、PK戦を除いて昨季一度も勝てなかったチームがある。
市立船橋である。
全国レベルの舞台で戦うも、いずれもPK戦に。
市立船橋は、インターハイ決勝で東福岡と激突すると、後半アディショナルタイムで追いつき、延長戦でも激闘を続けるも1-1からPK戦の末に敗れ、準優勝に終っている。
リベンジマッチは高校選手権の3回戦。ここでも東福岡を押し込んだが、0-0の末にPK戦で敗退。その後の東福岡の勝ち上がりを見ても、この一戦はまさに「事実上の決勝戦」といえた。
復活を遂げた東福岡に対し、市立船橋は復活ではなく、どちらかというと「安定して強い」イメージのチームだ。
2011年度の高校選手権で9年ぶり5回目の優勝を果たし、2013年度のインターハイでも3年ぶり8回目の優勝。昨年度に限ってもプレミアリーグ・イーストで4位の成績を残すなど、毎年のように全国トップレベルのチームを作り上げている。市立船橋は高校サッカー界において、常にトップレベルを維持し続けている、ある意味「マンモスチーム」と言って良い。