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中核選手と異端者を抱え込むハリル。
戦術の幅を象徴するのは原口元気! 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byAsami Enomoto

posted2016/03/25 14:00

中核選手と異端者を抱え込むハリル。戦術の幅を象徴するのは原口元気!<Number Web> photograph by Asami Enomoto

ブンデスリーガで3位につけ来季のCL出場に邁進するヘルタでレギュラーに定着している原口元気。

コアの選手はいるが、代える覚悟もある。

 '14年のブラジルW杯で指揮をとったザッケローニ監督の日本代表は、ある意味でポゼッション至上主義だった。それが選手たちにとっての「自分たちのサッカー」だった。それゆえに、そのスタイルに合わない選手のポジションはなかった。それがまたレギュラー争いの固定化をまねく一因となった。

 ハリルホジッチが監督を務める今のチームには、競争がある。

 ただその競争が成り立っているのは、コアとなるような選手を作らないという手法ではなく、チームとして相手や状況に応じて幅のある策を授けるという手法をとっているからだ。

 もしも、ハリルホジッチがコアとなる選手を作りたくないのであれば、ヨーロッパ視察中に特定の選手とだけ食事の席でディスカッションするなんてことは出来ない。チームとしての戦い方が変われば、選手も代えていくという信念があるからだろう。

パス交換に入らなくても、活きる方法がある。

 例えば、日本の中盤では異色である原口を重用しているのも、その証だろう。

 原口は後半に左サイドで見られた細かいパス交換をこう称えた。

「素晴らしい選手がたくさんいるから。そういう感覚がまだ合ったり合わなかったりという感じですけど、それをちょっとずつ合わせていければいいし、すごく良い形で1タッチでつながるシーンはいっぱいあった」

 その上で、こう付け加えた。

「どちらかというと、僕はそこに入っていくよりフリーランをするほうが好きだから。それぞれ良さが違う、ということですよね」

 もしもポゼッションサッカーをチームの唯一のよりどころにするのであれば、彼はコンスタントに出場時間を得られないはずだ。だが、それだけを監督が求めているわけでもない。縦への推進力や1対1の局面での能力も大切にしているからこそ、ハリルホジッチのサッカーのなかで、原口の存在意義は高まる。

 そういう意味では、チームに多様な戦い方を求めるハリルホジッチの申し子が原口なのかもしれない。

【次ページ】 監督の指示を、選手同士の話し合いで微調整する。

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