サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
中核選手と異端者を抱え込むハリル。
戦術の幅を象徴するのは原口元気!
posted2016/03/25 14:00
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Asami Enomoto
格下との代表の試合で、ホームゲームだ。3月24日のアフガニスタン戦では、勝つのは大前提だった。その上で、この試合には大きく分けて2つの課題があったのではないだろうか。
この試合が行なわれた埼玉スタジアム2002を、かつてホームスタジアムとしてプレーしていた、長谷部誠と原口元気の言葉に耳をかたむけていくと、おぼろげながらテーマは浮かび上がってくる。
「今日はフォーメーションを変えてやりましたし、色々なテストの意味合いもありました」
そのように語ったのは、長谷部だ。
原口と長谷部が語る、バリエーション。
1つ目の課題は、チームとしての戦い方のバリエーションを多くすることだった。
試合前日に練習しただけだという、4-3-1-2のフォーメーションを試したこともそうだ。
原口は、アンカーの位置で先発した長谷部の右前方という自身の役割を「インサイドハーフみたい」だったと振り返っている。試合の2日前、原口はヘルタ・ベルリンで担っているサイドのMFではないポジションをどのように消化したらいいのか戸惑い、悩んでいるようにも見えた。しかし同時に、充実した時間を過ごせたという手ごたえがあった。
「監督と話もしました。どんな感じでやるのか、そのイメージも自分のなかで作れました。相手が引いてきたから、チャンスメイクもけっこう求められましたし。
僕はもともとはチャンスメイカーというタイプではないですから。でもね、攻守の切り替えの部分では、ヘルタでやっている良さというのも出たわけだし。1回目でそんなにパーフェクトに行かないというのもわかっていましたし、それに色々経験するのは良いことでしょう。その上で、まずは勝つのが一番。勝ったのは良いことだと思います」
長谷部は試合終盤に、チームメイトに対して訴えていたことについてこう説明した。
「後半27分にマイクが入っていたので、少し大げさでもいいからマイクを狙って、そのセカンドボールにトライしようということは、みんなに話していました。つなげる選手が多いので、細かく最後まで崩してやりたいというのはわかるんですけど、マイクを入れた時点でそういうシンプルな攻撃にトライしないといけないと思ったし。その意味で金崎の得点に関しては、狙い通りだったと思いますね」