Jをめぐる冒険BACK NUMBER
風間体制5年目でついに化けた!?
川崎フロンターレ、快進撃の秘密。
posted2016/03/16 10:50
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph by
Kiichi Matsumoto
最後に首位に立ったのは2009年だったから、実に7シーズンぶりのことになる。J1ファーストステージ第3節を終えた時点で2勝1分の勝点7を獲得し、単独首位に躍り出た川崎フロンターレのことだ。
当時の監督は関塚隆(現ジェフ千葉監督)で、前線にはジュニーニョとチョン・テセ(現清水エスパルス)が君臨。ゴールを守っていたのは川島永嗣(現ダンディー・ユナイテッド)だったから、やはり隔世の感がある。
まだ3試合を終えただけだから、この時点での順位に大きな意味はないが、風間八宏監督が'12年4月に就任してからここまで、スタートで躓くことが多かったから、「今年はひと味違う」との印象を感じさせる。
名古屋グランパスとの第3節は、一時は逆転されながら、大久保嘉人と中村憲剛のアベックゴールで3-2とひっくり返した劇的な展開だったが、それ以上に「ひと味違う」という印象を強めているのは、サンフレッチェ広島、湘南ベルマーレとの開幕2連戦を1勝1分で乗り切ったことだろう。
最も堅守なクラブと、最もアグレッシブなクラブ。
広島はJ1で最も堅く、隙のない守備ブロックを敷くチーム。湘南はJ1で最も激しくボールを狩りにくるチーム。「うちが最も苦手とする2チーム」と開幕前、中村も気を引き締めていた。
実際、昨シーズンは広島に2連敗、湘南とはホームでは大苦戦の末、なんとか逆転勝利を飾ったが、アウェーでは反対に逆転負けを食らっている。
だが今シーズンは開幕戦で広島を1-0で下すと、湘南とは壮絶な打ち合いの末、終了間際に森本貴幸の移籍後初ゴールで4-4の同点に追いつき、勝点1をつかみ取った。
3試合で8得点と得点力は健在だ。さらに、今シーズンになって目立つようになってきたのが、「ボールを回収しようとする意志と迫力」だ。