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「降格確実」からの逆襲が始まった。
ハノーファーに揃った日本人3人衆。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2016/03/01 18:10
ハノーファーで4シーズン目を過ごす酒井宏樹。すでにJ時代の出場試合数は超えている。
監督の2時間の説教の後は、選手ミーティング。
2時間にわたるシャーフ監督の“説教”が終わると、キャプテンのシュルツやドイツ代表のツィーラーらが音頭をとり、一部の選手たちが集まった。
ドイツの他のチームと同じように、ハノーファーも様々な国の選手たちで構成されている。しかも、この冬にやってきた選手が6人もいる。ピッチやロッカールームではドイツ語や英語だけでなく、フランス語に日本語、さらにはポルトガル語からスウェーデン語まで、さまざまな言語が飛び交う。ディフェンダーとして、味方にドイツ語で指示を出せないのは致命的だ。日本人選手のなかでもっとも流暢なドイツ語を話す酒井が、日本人選手たちの代表として呼ばれた。
「最近は2部練習もあったりして大変だけど、落ち込んだり、練習が嫌だというのではなくて、ネガティブなものを消していくことから始めよう、ということでした。蛍とかにも、『マイナスなことを言いたくなっても、そうじゃない、頑張ろう』と伝えたり、引っ張っていってほしいということでした。とにかくみんながポジティブに、前を向けるように頑張っていこうという話だったんです」
実際のクオリティよりも、染み付いた不安が問題。
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ハノーファーの置かれた状況について、ブンデスリーガの53年の歴史を参照して、降格の可能性がいかに高いかを伝える報道があふれかえっていた。2部に落ちた際にはどの選手がチームを去るのか、どの選手がいくらで売られるのか、そのリストさえ新聞に躍っていた。
ピッチ上の課題はもちろんいくつもあったが、それ以前からハノーファーは問題だらけだった。
ボールを奪われて、カウンターを受けたらどうしよう。近くにパスを出してとられるくらいなら、大きく蹴りだしてしまおう――。
そうした問題が生じている理由の一つは、選手たちがプレーすることに恐れを感じているところにあった。酒井はこんな風に捉えていた。
「チームの実際のクオリティが低いわけじゃない。やっぱり、今の状況は、頭のなかの問題が8割方を占めていると思います」
その上で、つけ加えた。
「一度でも勝てれば、みんなもストレスがなくなると思いますし。まずはそこからだと思います」