フットボール“新語録”BACK NUMBER
ドイツで食事改善ブームが過熱気味。
レバンドフスキが牛乳をやめた理由。
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byGetty Images
posted2016/02/23 10:50
レバンドフスキはリーグ第22節終了時点で22ゴールをあげ、得点ランキングで首位を走る。
37歳のピサロはカリスマ栄養士の助けでダイエット成功。
次にあげるのはブレーメンのクラウディオ・ピサロ(37歳)だ。昨年9月に加入したときはコンディションが悪く振るわなかったが、後期はウィンターブレイク明けから3試合連続でゴールを決めた。ブンデス最年長フィールドプレイヤーとは思えない爆発力だ。
ビルト紙(2月3日付)は「2キロのダイエットに成功」という見出しで、イタリア人のカリスマ栄養士、ジュリアーノ・ポゼルの支援があることを特集した。
ピサロは好調の秘密をこう語った。
「彼が食事を改善してくれた。それ以来、ジャガイモ、トマト、ナス、精白小麦、牛乳、パンを口にしなくなった」
精白小麦とは多くの人が普段口にしている通常の小麦のことで、全粒小麦から外皮と胚芽を取り除いたものだ。口当たりはいいが、食物繊維やミネラルは減っている。白米と玄米の対比にたとえるとわかりやすい。
ピサロは排除した食品の代わりに、豆乳、ヨーグルト、スペルト小麦(古代穀物)のパスタを食べている。
「(昨年8月に食事を変えてから)コンディションが良くなったと感じているし、2キロ減った」
メッシの嘔吐癖を治したという経緯も。
いったいポゼルとは何者なのか。花びらを水に浸してエネルギーを得るバッチフラワーレメディといった神秘的な手法を用いる一方で、栄養学にも通じ、メッシの嘔吐癖を治したことで知られている。以前、イタリアの新聞のインタビューでこう説明したことがあった。
「野菜、季節のフルーツ、質のいいミネラルウォーターは、筋肉にとって欠かせない燃料だ。加工食品の摂取を減らさなければならない。そして殺虫剤、除草剤、抗生物質、薬物などを含んだ食品もだ。メッシは加工食品を排除し、ビタミン豊富な食事に置き換えた。シリアル、野菜、魚、オリーブオイルなどだ」
メッシはアルゼンチン代表の同僚・デミチェリスの紹介で、この専門家と知り合った。ピサロも同じくデミチェリスから勧められて、カリスマ栄養士の扉を叩いた。ちなみにイグアインやアグエロも顧客。ピサロはあまりにも体が動くため、39歳のときにペルー代表として2018年W杯に出場する欲まで出てきている。