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ドイツで食事改善ブームが過熱気味。
レバンドフスキが牛乳をやめた理由。
posted2016/02/23 10:50
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph by
Getty Images
「イタリア人の栄養士が食事を改善してくれた。それ以来、ジャガイモ、トマト、ナス、精白小麦、牛乳、パンを口にしなくなった」
クラウディオ・ピサロ(ブレーメン)
ドイツサッカー界では「食事改善」が大ブームになっている――ということは昨年12月の本連載で紹介した。正しい食事が体の切れを増し、ケガの予防にもつながる。もはや食事は“練習”の一部と捉えられるようになった。
ただし、選手はロボットではない。こういうストイックな取り組みを選手はどう感じているのだろう。
今季からアイントラハト・フランクフルトは食事改善に力を入れ始め、乳製品を出すのをやめた(代わりに使うのは、アーモンドミルクやオート麦ミルク)。小麦を排除し、ライ麦、ソバ、スペルト小麦(古代穀物)を選んでいる。
長谷部誠が語るザックジャパンでの食事。
フランクフルトの冬合宿を訪れた際に長谷部誠に感想を求めると、キャプテンらしい答えが返ってきた。
「クラブの食事から乳製品が消えたのは確かです。こっちでプレーしていて、オメガ3という言葉もよく聞くようになりました(魚やナッツ類に含まれるオメガ3脂肪酸には炎症を抑えてケガを予防する効果があり、適量の摂取が推奨されている)。実は日本代表でもザッケローニ監督になってから、オメガ3のカプセルが配られるようになったんですよ。それを飲み続けている選手とそうでない選手には、血液検査の数値に明らかに差が出ていた。やはり食事は大事だと思います」
ただし……と長谷部は続けた。
「個人的には元々バランスの良い食事をしているし、暴飲暴食しているわけではないので、そこまで細かく気を取られたくないというスタンスです。食事は楽しむもので、ストレスにならないことも大事ですから」