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<動画公開!> 中村俊輔と五郎丸歩が明かす「世界基準のキック論」。
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph byTadashi Shirasawa
posted2016/02/17 12:50
Jリーグの直接FK通算記録を持つ中村俊輔と、ラグビー日本代表の得点記録を持つ五郎丸歩。競技を越えた夢の対談が実現した。
「ルーティンをやりたくなる感覚がわかりました」
中村 サッカーは、壁がいてキーパーがいて、ゴールの枠内のあちこちをピンポイントで狙うじゃないですか。ラグビーは相手がなく、ストレートで、できるだけブレないように蹴る。実際に僕もラグビーボールを蹴ってみて、決まった動きをするルーティンをやりたくなる感覚がなんとなくわかりました。
五郎丸 エディー・ジャパンの4年間、メンタルコーチと一からルーティンをつくっていって、自分が触れられるものであったり、自分の行動でコントロールしていくことで身につくようになってきました。
中村 行動でコントロールするというのはよく分かります。生活の流れや、リズムがルーティンそのものにつながっている感じがする。それをどれだけ自分のものにできているか。
「非日常を日常にしていく」
五郎丸 確かにそうですね。自分にプラスになることを日常でやっていく。非日常を日常にしていくのは凄く難しい。でもそれをやっていかないとキックの成功率も上がっていかないんじゃないか。そう信じてやっています。
中村 試合の前に、勝負は決まっている、と僕は思っていますね。
五郎丸 キックの練習もルーティンのひとつ。自分の場合、8カ所からしか蹴らなくて、すべて1本で入れれば8本で終わり。
中村 面白いですね。僕は昔、納得いくまで蹴らないと気が済まなかった。今は10本、20本と決めて、集中して蹴る感じに近いかな。
お互いの経験やそこから得られた感覚を次々に明かしていく2人。
1時間近くに及ぶ尽きない対話の中で、少し間があいた瞬間、中村がふと漏らした。
「実はきょう、キックの最中に五郎丸さんにかけてもらった言葉からヒントを得たんですよ……」
キックとメンタルの関係、日常生活の中からプレーに取り入れている要素、日記やノートをつけることの必要性、蹴り方の技術論まで多岐にわたった対談の続きはNumber894号(日本ラグビー「再生」“エディー後”のジャパン)にてお楽しみください。