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エリザベス女王杯は「二強」の構図。
割って入るならばルージュバックか。 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byYuji Takahashi

posted2015/11/14 08:00

エリザベス女王杯は「二強」の構図。割って入るならばルージュバックか。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

ラキシスは、ライアン・ムーア騎手に乗り換わりでエリザベス女王杯に挑む。

追い切りに岩田騎手が駆けつけたヌーヴォレコルト。

 実力からしても、上位にリピーターが来やすいという点からしても、昨年1番人気に支持されながら2着に惜敗したヌーヴォレコルト(4歳、父ハーツクライ、美浦・斎藤誠厩舎)にも充分勝機がある。

 昨年のオークスではハープスターを、今年の中山記念ではイスラボニータ、ロゴタイプという新旧の皐月賞馬を完封した強さは、ラキシスと甲乙つけがたい。

 1週前、本追い切りと2週つづけて主戦の岩田康誠が駆けつけ、仕上げも万全。

 ラキシスと、このヌーヴォの「二強」に他馬が挑む構図と見てよさそうだ。

まとめて負かすとしたら3歳のあの馬か。

 二強に割って入るか、まとめて負かすとしたら、やはり伸び盛りの3歳馬か。古馬より2キロ軽い54キロで出走できることもあり、過去10年で5勝している。

 終わってみたら「やっぱり、この馬は普通じゃなかった」となりそうなのが、この春、牝馬として51年ぶりにきさらぎ賞を勝ったルージュバック(3歳、父マンハッタンカフェ、美浦・大竹正博厩舎)だ。桜花賞はスローな流れのなかで動けず9着に終わったが、つづくオークスでは5、6番手を進む積極策をとり、終始目標にされながらも2着。単なる早熟ではなかったことを証明した。

 予定していた札幌記念を熱発で使えず、オークス以来5カ月半ぶりの実戦となる。それでも、もともと間隔をあけて使われていた馬だし、「馬本位」で体力回復をはかった結果、ここからの使い出しがベストと判断した、気鋭の大竹調教師の目を信じたい。

 京都の外回りコースがいかに合うかは、きさらぎ賞の結果が示している。

「一発」があっても不思議ではない。

 ローズステークスでミッキークイーンを破ったタッチングスピーチ(3歳、父ディープインパクト、栗東・石坂正厩舎)も、直線の長いコースでこそ持ち味の生きるタイプだ。

 秋華賞2着のクイーンズリング(3歳、父マンハッタンカフェ、栗東・吉村圭司厩舎)の爆発力もあなどれない。唯一掲示板を外したのが2400mのオークスだから、距離が不安なのは確かだが、春は馬体が戻り切っていなかったことも響いたのではないか。この秋は、体を増やしながら実戦をこなしていけそうなだけに、チャンスは大きいと見た。

【次ページ】 本命はラキシス、ルージュの単複も……。

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