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他馬が「どうしようもない」勝ち方。
天皇賞制したラブリーデイは“一強”か。

posted2015/11/02 11:30

 
他馬が「どうしようもない」勝ち方。天皇賞制したラブリーデイは“一強”か。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

ウイニングランで歓声に応えるラブリーデイ。現役最強馬に名乗りをあげた。

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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Yuji Takahashi

 これが今年8戦目。疲れ知らずのタフガイが、府中の直線で躍動した。第152回天皇賞・秋(11月1日、東京芝2000m、3歳以上GI)を1番人気のラブリーデイ(牡5歳、父キングカメハメハ、栗東・池江泰寿厩舎)が制し、堂々、中距離王の座についた。

 ゲートが開き、真ん中から内の4頭が速いスタートを切り、少しの間、並走する形になった。1番ディサイファ、5番クラレント、8番ラブリーデイ、9番エイシンヒカリだ。

 大方の予想どおり、武豊のエイシンヒカリがそこから抜け出し先頭に立ちかけた。が、内を行く田辺裕信のクラレントが譲らずハナを切り、最初のコーナー(2コーナー)に進入した。スタンドの歓声がどよめきに変わった。

 奇襲に出た田辺は、「とにかく競馬の形を変えたかった。2000mは(この馬にとって距離が長いので)やってみないとわからないところがありましたから」と振り返る。

 一方の武は、無理にハナを奪おうとはせずクラレントを先に行かせ、内外やや馬体を離して向正面に入った。クラレントより1馬身半から2馬身ほど後ろだが、目の前には馬がおらず、ハナを切るのに近い形だ。

「枠の内外の差もあったし、前回ほどダッシュがよくなかった。こういう形もあると思っていました。2番手でも問題なく折り合っていたので、イケるかなと思ったのですが……」

浜中が落ち着かせたラブリーデイが好位。

 エイシンから2馬身ほど後ろの3番手はカレンミロティック、その内のラブリーデイはやや行きたがり、鞍上の浜中俊が重心を後ろにかけて抑えている。

「いいスタートを切って、考えていたとおり、前目のいい位置をスムーズにとることができた。向正面では行きたがってなだめるのに苦労しましたが、途中から落ちついてくれました」

 サトノクラウン、ワンアンドオンリー、ディサイファなどがつづく。その後ろのアンビシャス、ヴァンセンヌなども掛かり気味になっている。外枠から出た有力馬、16番のイスラボニータと15番のショウナンパンドラはさらに後ろで折り合っている。

 1000m通過は1分00秒6。良馬場で、このメンバーにしては遅い流れだ。

【次ページ】 他の馬がどうすることもできない勝ちっぷり。

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